2008年にスタートした「ふるさと納税」も、今年で早15周年。日本にはいろんな税金があるけれど、今や納税の仕組みをわかっていない子どもでさえ名前は知っている、一番知名度のある納税方法になったのでは。実際、受入寄付金額と受入件数は年々増加し、なんと2022年度の予測では9,500億円以上にものぼる勢いだという。

ふるさと納税の人気は、なんといってもお礼品。全国の自治体もあれやこれやと趣向を凝らしたお礼品を用意しているので、どこに納税しようか迷ってしまいそうだ。そんな絶好調のふるさと納税だが、このところの物価高の影響でお礼品選びに変化が生じている。その背景を、ふるさと納税サイト「さとふる」の坂平さんが教えてくれた。

株式会社さとふる 経営戦略室 広報グループの坂平由貴さん

物価高の今、人気なのが日用品や訳ありお礼品。今年1月から5月までに最も検索されたキーワードのツートップは「米」と「トイレットペーパー」だった。

米は2年で約1.5倍、トイレットペーパーにいたっては2年で約5倍も寄付件数が増加している。ところで、米はわかるとしてもなぜトイレットペーパーがお礼品になるのか? 実はメーカーの本社がどこであれ、その地域に工場があるなど、少しでも関わりがあればお礼品として認められるのだ。

訳あり品も人気。今年上半期のお礼品人気ランキングには、第6位に訳ありの鮭の切り身がランクインしている。打ち身、不揃い、色飛びといっても、味は正規品となんら変わるところはないし、それが2.8kgも手に入るなら問題ないというわけか。ちなみ第7位には日常の食材に使用できる玉ねぎもランクイン。物価高の影響がランキングに如実に反映されていることがわかる。

さとふるの2023年上半期 お礼品人気ランキング第1位に輝いたのは、さとふるで4年連続第1位を独走する北海道紋別市の「オホーツク産ホタテ玉冷大(1kg)」。なかなかの大粒で美味しそう。

物価高の影響とは別に、もうひとつトレンドになっているお礼品が「旅行券・チケット」。これはもちろん、コロナ禍が明け、旅行が盛り上がりを見せているからに他ならない。実際、今年1月と5類移行後の5月を比較すると、このカテゴリーの寄付件数は約2倍の伸びを見せた。

旅絡みのお礼品が人気の今、話題になっているのが「PayPay商品券」。これは寄付先地域内の店舗などで利用可能な電子商品券型のお礼品で、旅先で寄付をして、その場で利用できると注目が集まっている。

ふるさと納税を活用したことのない記者にとって、「ふるさと納税=食品」がこれまでのイメージ。しかし、よくよく話を聞いてみると、想像もしなかったいろんなものがお礼品になっていることがわかった。記者個人として一番驚いたのは、岐阜県郡上市のギターストラップ。まさか納税のお礼品にギターストラップがあるなんて、考えもしなかった。このほかにも、あっと驚くようなお礼品はきっとあるに違いない。ちょっと真剣にさとふるで調べてみようと思うのだった。

情報提供元:舌肥
記事名:「さとふるが教える ふるさと納税最新お礼品トレンド