KDDIは、東京・銀座のコンセプトショップ「GINZA 456 Created by KDDI」にて、デジタルデバイド解消に向けた取り組みを学べる体験型イベント「デジタルコネクションストーリー〜平成ノスタルジーと村のミライ〜」を11月2日から開催する。3つのゾーンで展開される本イベントでは、KDDIが挑むデジタルデバイド解消への取り組みを紹介した展示が見られるほか、没入感ある映像空間とAR技術による体感型コンテンツを楽しむことができる。

デジタルデバイド解消の取り組みを楽しく学ぶ体感型イベント

一般的に「情報格差」と訳され、情報通信技術の恩恵を受けられる人と受けられない人との間に起こる格差を表す言葉として使われる「デジタルデバイド」。IoTデバイスやAI(人工知能)技術なども登場した現在、KDDIは単純な情報格差の解消だけでなく、デジタルを使ってあらゆる格差を解消していくことを「デジタルデバイド解消」と定義し、2024年度末までに累計1500万人のデジタルデバイド解消を目指して多彩な活動を行っている。その代表的な取り組みを知ることができるのが今回のイベントだ。

まず初めに、エントランスでは「平成のケータイ史」の展示が見られる。こちらはKDDIが前身時代を含めて発表してきた携帯電話の歴代機種が展示されているゾーンだ。

日本のケータイの歴史を刻んできた約50体の機体。ガラケー時代を知る人であれば「IDO」時代の機種を懐かしく感じるのはもちろんのこと、やはり同社といえば“G-SHOCKケータイ”と呼ばれる「G’zOne」シリーズや市松模様のボタン配置が印象的な「INFOBAR」の初期モデルなど、世間に衝撃を与えたエッジの立ったモデルが光る。

全国各地のデバイド解消に貢献するKDDIの最新技術

その奥のフロアは「全国に広がるKDDIのデジタルデバイド解消の取り組み」を紹介したゾーンだ。扉をモチーフにしてデザインされた展示空間では、KDDIが各地の自治体やパートナー企業と連携して行う「スマートフォン教室」「行政デジタルトランスフォーメーション(DX)」「スマート農業、スマート漁業」「オンデマンド交通、スマートドローン」「ケーブルテレビ」「地域教育支援」「スターリンク」という7つの取り組みを映像やデータ情報で知ることができる。

そのうち、例えば「スマート農業、スマート漁業」のコーナーでは、兵庫県豊岡市で行う「コウノトリ育む農法」におけるIoT技術の活躍が紹介されている。こちらは稲の無農薬栽培における水管理にセンサーを用い、水位や水温などのデータをクラウドに送信してスマートフォンやタブレットで見られるようにした事例だ。水田の管理を遠隔地から可能にする技術は、後継者不足や新規就業者の獲得に課題を抱える第一次産業が、デジタル技術によって変わりつつあるさまを教えてくれる。

また、同ゾーンには、KDDIが全国各地で行うデバイド解消の取り組みが地図形式で紹介されており、さまざまな地域の社会課題解決に同社の情報通信技術が活躍していることを知ることができる。

デジタルの「懐かしい」と「新しい」が両方感じられる巨大映像空間

そして地下1階に降りると、正面の視線の先には、ちょっと懐かしい「SHIBUYA109」のロゴが…。

「時空を超えてデジタルがつなぐ物語の中へ」と名付けられたこちらのゾーンでは、2つのシーンが入れ替わる巨大映像空間を活用した体験型コンテンツで、デジタル技術のこれまでと未来が体感できる。

交互に入れ替わるシーンのうち、ひとつは「平成の渋谷」を再現した空間だ。壁面いっぱいに描かれた渋谷の風景には、ルーズソックスを履いたガングロギャルをはじめ、“あの頃”の若者たちの姿が見える。

壁面にはいくつかのポイントが設けられており、そこに触れると画面に変化が起こる。さらに会場で借りられるARカメラでそこを覗き込むと詳しい説明が表れ、「バリ3」の電波を求めて街中を歩いたことや、赤外線通信で写真を送り合ったことなど、懐かしい平成のケータイ文化が記憶に蘇る。さらに「SHIBUYA109」の前でARカメラを掲げると、画面上に絵文字や顔文字が飛び出してくるというお楽しみも。

もうひとつの「村の風景」を再現した空間では、渋谷の風景と同じように壁面の各ポイントをタッチすることで、デバイド解消が実現する地域社会の未来を体感。中山間地域へ物資を届けるスマートドローンや深い山の中でも電波が届くスターリンクの仕組みなど、先ほど1階で学んだ技術をより視覚的に感じることができる。

4者協働による新たなデバイド解消の取り組みを発表

この日は同じ会場で「岩国市、和木町、KDDI、ANAあきんど『デジタルサービス体験型スマホ教室』説明会」も併せて開催された。

4者によるこの取り組みは、従来のスマートフォン教室を発展させ、QRコードリーダー(二次元バーコードリーダー)を活用したオンラインチェックインおよび二次元バーコードによる搭乗体験などを体験してもらうというもので、11月14日から山口県岩国市、和木町の3か所で開催を予定している。なお、オンラインチェックイン体験は「デジタルコネクションストーリー〜平成ノスタルジーと村のミライ〜」の会場でも体験が可能だ。

説明会に登壇したKDDI経営戦略本部副本部長の江幡智広氏は「60代の8割超、70代の6割超の方々にスマートフォンが普及した中、その利用についてはもう一歩先のところまで進めると思っている。今回は60代以上の方々にとって生活の中の楽しみのひとつである旅行にフォーカスをあて、デジタルサービス体験型のスマートフォン教室を企画した」と本企画の趣旨を説明。その上で「地域のデジタルサービスの利活用を促進してデバイドの解消につなげていきたい」と意気込みを述べた。

本取組に加えて、KDDIでは9月から栃木県内3市で行っている車両型出張auショップの実証実験を11月2日から来年3月まで茨城県笠間市でも実施。同じく7月から山口県岩国市で行っている自宅訪問型スマホ教室を11月から来年1月まで山口県美祢市でも行い、運転免許を返納された高齢者らのデジタルデバイド解消を目指していく。

「デジタルコネクションストーリー〜平成ノスタルジーと村のミライ〜」は、東京・銀座の「GINZA 456 Created by KDDI」で11月2日から開催。入場無料なので、銀座観光と合わせてぜひ立ち寄ってみよう!

【デジタルコネクションストーリー〜平成ノスタルジーと村のミライ〜】
体験期間:2023年11月2日~終了時期未定
時間:10:30~20:00(B1Fイベントフロアの最終入場は19:15まで)
参加料金:無料(予約不要・入場自由)
対象年齢:4歳以上(推奨)
イベント休止日:2023年11月10日~11月12日、11月16日、2023年12月1日~12月3日、2024年1月5日~1月8日
※B1Fイベントフロアは急遽別イベントを開催する可能性あり。
※11月9日、11月30日、1月4日は、B1Fイベントフロアへの最終入場は16:15まで、イベント終了は17:00。
※その他の日程についてはGINZA 456の休館日に準じる。

情報提供元:舌肥
記事名:「デジタルデバイド解消の取り組みを楽しく学ぶ KDDI「デジタルコネクションストーリー〜平成ノスタルジーと村のミライ〜」体験レポート