近年、人生80年時代から人生100年時代に変化していると言われているが、それは夫婦やカップルが過ごす期間も20年長くなるということ。長年連れ添うパートナーとは良好な関係でいたいものだが、その秘訣を次の調査結果から考えていくことにしよう。
今回、株式会社Hakuhodo DY Matrixのシンクタンク「100年生活者研究所」は、11月22日のいい夫婦の日に合わせ、20~80代の男女728名を対象に、人生100年時代における夫婦・パートナーの価値観に関する意識調査を行った。その結果、関係が良好な夫婦・パートナーは、人生100年時代に「100歳まで生きたい」と思う割合が高かった。さらに、たとえ関係が良好な夫婦・パートナーであっても、価値観の相違は珍しくなく、良好な関係を維持するために相手を尊重する言動を平均5.8個、重要視していることがわかった。
【100年生活者調査~夫婦編~】結果詳細
Q1.人生100年時代において、あなたは100歳まで生きたいと思いますか?
―「100歳まで生きたい」という気持ちは、パートナーとの関係が良好な人の方が悪い人より約1.4倍高い
100 歳まで生きたい意向について、夫婦・パートナーの関係別に聞いたところ、「パートナーとの関係が良い」人の40%が「とてもそう思う」もしくは「ややそう思う」と回答。関係が悪い人の29%と比べて約1.4倍高い結果となった。
Q2.以下の価値観について、あなたとあなたの配偶者またはそれと同等な交際相手・パートナーの間でどの程度合致していると感じますか?
―100歳まで生きたい人、夫婦・パートナー間で合致していると感じる価値観は「仕事・キャリア」「生活リズム」「笑い」
夫婦・パートナー間で合致していると感じる価値観について質問し、100歳まで生きたい人、そうでない人の差を比較したところ、「仕事・キャリアに関する価値観」、「生活リズムについての価値観」の15ポイント差が最も大きく、次いで「笑いの価値観」の14ポイント差となり、上位には社会参画や生活基盤、肯定的な感情に関する項目が挙がった。一方、「家族・子育てに対する価値観」(7ポイント差)や「家事の分担や行い方についての価値観」(同)などの家庭に関する項目は差が小さい結果となった。
―関係が良い夫婦・パートナーであっても、「趣味」「怒り」に関する価値観は 40%以上合致しない
今度は100歳まで生きたい意向ではなく、夫婦・パートナーの関係性の観点から価値観の合致度について調べた。その結果、夫婦・パートナーと良好な関係を築いている人のうち、41.6%が「趣味に関する価値観」、41,2%が「怒りを感じる点についての価値観」について合致していないと回答。良好な関係であろうとなかろうと、夫婦・パートナー間の価値観には相違があることがわかった。
Q3.あなたとあなたの配偶者またはそれと同等な交際相手・パートナーとの関係を良好に維持するために、重要だと考える要素は何ですか?
―関係が良い夫婦・パートナーは、相手を尊重する言動を重視している
一部の価値観が異なっても、良好な関係を維持するための秘訣を調べるために、夫婦・パートナーと関係が良い人が大切にしている要素について聞いた。その結果、「お互いを信頼する」が75.1%と最も高く、「感謝の気持ちを表現する」(67.4%)、「お互いにサポートする」(59.7%)と続き、相手を尊重する項目が上位に。一方、パートナーと関係が悪い人は「あてはまるものがない」が20%を上回った。
―夫婦・パートナーとの関係の良し悪しで、関係を維持するために重視する項目の数は2倍の差
夫婦・パートナーとの関係を維持するために重要視する要素の項目数を調べたところ、夫婦・パートナーの関係が良好であるほど、項目数が多くなる傾向にあった。夫婦・パートナーの関係が良好である場合、項目の平均数は5.8個。パートナーとの関係が悪い場合の平均数2.9個と比較するとちょうど2倍となることもわかった。
【100年生活者調査~夫婦編~】概要
調査目的:人生100年時代における夫婦・パートナーとの価値観の把握
調査手法:インターネットモニター調査
調査期間:2023年9月
調査対象者:20~80代の男女728名
本調査結果に関し、100年生活者研究所研究員の平間 圭太郎氏は以下のようにコメント。
人生80年時代では夫婦・パートナーは相手の価値観を合わせることが大切と言われてきた印象があります。しかし、人生100年時代においては、夫婦・パートナーとのあり方も多様化する中で、相手の価値観に合わせることが必ずしも良好な関係につながるとは言えなさそうです。実際、調査対象者に要素の中で一番大切にしているものを聞いたところ、関係の良し悪しに関係なく「お互いを尊重し異なる価値観を認め合う」が1位だったという結果も出ています。つまり、相手を気遣う気持ちを大切にして、互いの違いを認め合うことで良好な関係を築き上げることができ、それが100歳まで生きたい気持ちにもつながります。個人の考え方はさまざまであり、同様に夫婦・パートナー関係もユニークで多様なはずです。いい夫婦の日を機に、価値観が異なるということをあえて意識してはいかがでしょうか。
11月22日はいい夫婦の日。この日が制定されたのも、日頃は改めて言えない感謝の気持ちを互いに伝え合うためだという。長年一緒にいればいるほど、相手の存在が当たり前になってしまい、感謝や思いやりの言葉は少なくなってしまうものかもしれない。しかし、本調査結果から良好な夫婦関係の人は、感謝の気持ちを表現することなど相手を尊重することを大切にしていた。つまり、良好な夫婦関係を維持するためには何らかの意識や努力が必要だということだろう。まずはいい夫婦の日をきっかけに、「ありがとう」の言葉を伝えてみてはいかがだろうか。
■Hakuhodo DY Matrixについて
Hakuhodo DY Matrixは、「The well-being company」として人々の幸福と健康の増進に役立てることを目指し、博報堂DYホールディングスのグループ会社として2021年4月に創業。「100年生活者を見つめ、人生を通してWell-beingであり続けられる理想社会の実現に貢献する」というミッションの下、シンクタンクである100年生活者研究所を通して、人生100年時代の幸せをテーマにした調査リリースを発信・提案している。
研究所HP:https://well-being-matrix.com/100years_lab/
情報提供元:舌肥
記事名:「人生100年時代のいい夫婦とは?良好な関係の夫婦は価値観よりも○○を重要視!」