大雪や台風、水不足などによって収穫量が大きく変わる野菜。
旬の時季は比較的安価で手に入るイメージがありますが、生育状況によっては意外と高かったりすることも。
今回は、日々刻々と価格が変動する野菜の価格の推移や今後の見通しを、農林水産省のデータから解説します。
「そろそろ春キャベツの時季だなあ」なんて思ってスーパーを覗いてみたはずが、なぜか旬ではない野菜が安くなっている……なんてこと、ありますよね。
野菜は天候などの影響で育ち方が変わるもの。
収穫量によって常に価格は変動していますが、実は農林水産省が野菜の価格について聞き取り調査をしているのはご存知でしたか?
東京都中央卸売市場に出荷される野菜について、例年と比較した価格の見通しを毎月発表しているんです。
今回は令和5年11月分時点での「野菜の価格動向」について、発表されている資料からわかりやすく解説します。
11月の野菜生育状況から予測!野菜の値段と価格推移
令和5年度11月は、農林水産省が価格の予測を行っている13種類のうち、8種類が平年を上回る高値となる見込み。
家計には痛手になりますが、11月後半にはほぼ平年並みの価格に落ちつくと見られます。
だいこんは、北海道産・青森県産の出荷が減少し、千葉県産・神奈川県産中心の出荷に切り替わるタイミングです
千葉県産の生育は順調ですが、神奈川県産は9月中旬以降の干ばつの影響を受け、11月前半までは出荷数量が落ち込みそう。
11月前半の出荷数が出荷数は平年を下回り、価格は平年より高くなる見込みです。
11月後半には回復し、平年並みとなるでしょう。
にんじんは、北海道産中心から千葉県産中心に切り替わります。
千葉県産の生育は順調ですが、北海道産は8月〜9月の暑さの影響を受け残量が減り、出荷数が落ち込む見込みです。
全体として11月を通じて出荷数量が平年を下回るため、お値段は高くなる見込みです。
はくさいは、長野県産の出荷が減少し茨城県産中心へ切り替わります。
茨城県産は9月の暑さの影響を受け生育が遅れ気味。
11月前半までの出荷数量は平年を下回る見込みです。
11月後半には回復し、平年並みとなるでしょう。
キャベツは、群馬県産の出荷が減少し千葉県産・茨城県産中心に切り替わります。
茨城県産は9月の暑さを受け生育が遅れ気味。
11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格が高くなる見込みです。
11月後半には落ち着き、出荷数・価格ともに平年並みとなるでしょう。
ほうれんそうは、順調に生育中です。
全体的な出荷数量への影響は少なく、出荷数量・価格はともに平年並みとなりそうです。
ねぎは、北海道産・青森県産中心から、茨城県産・千葉県産の出荷への切り替わりどきです。
主産地における8月〜9月の暑さと乾燥の影響を受け生育の鈍化が見られるなど、出荷数が落ち込みそう。
11月を通じて出荷数は平年を下回り、価格は平年より高くなる見込みです。
レタスは、長野県産から茨城県産中心に切り替わる時期です。
茨城県産は順調に生育中です。
長野県産は雨の少なさから生育が遅れ気味ですが、大幅な出荷数量への影響はない見込み。
出荷数量・価格はともに平年並みとなりそうです。
きゅうりは、福島県産から群馬県産・埼玉県産、宮崎県産の出荷数が増加します。
主生産地の生育は順調に進んでおり、出荷数・価格ともに平年並みとなりそうです。
なすは、群馬県産・栃木県産から、高知県産・福岡県産中心へと切り替わります。
主生産地の生育は順調に進んでおり、出荷数・価格ともに平年並みになる見込みです。
トマトは、北海道産・福岡県産の出荷が減少し、熊本県産・千葉県産・愛知県産中心の出荷に切り替わります。
8月〜9月の暑さを受け、千葉県産は小玉傾向にあるそう。愛知県産の生育も落ち込み気味のため、11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は高くなりそうです。
一方で、11月中旬以降に出荷数が増加する熊本県産の生育は順調のため、11月後半は出荷数量・価格ともに平年並みに回復する見込みです。
ピーマンは、茨城県産に加え宮崎県産・高知県産の出荷が増加します。
茨城県産は8月〜9月の暑さと10月の冷え込みの影響を受け、生育が遅れ気味。
11月前半の出荷数量は平年を下回り、価格は高くなりそうです。
11月後半には回復し、出荷数量や価格はともに平年並みに戻る見込みです。
ばれいしょは、北海道産の収穫および貯蔵が完了しました。
出荷数・価格ともに平年並みになる見込みです。
さといもは、主産地の一部において8月の干ばつの影響を受け、小玉傾向にあります。
一方で大幅な出荷数量への影響はなく、出荷数量や価格はともに平年並みとなりそうです。
玉ねぎは、主産地である北海道の暑さの影響でやや小玉傾向です。
11月を通じて出荷数は平年を下回り、価格は平年より高くなる見込みです。
今月お買い得と予想される野菜は?【野菜の値段と価格推移】
2023年11月にお買い得と予想される野菜は、残念ながらありません。
物価高が続く中では痛いニュースですが、栄養面や食卓の彩りには欠かせない野菜たち。
特売情報等をチェックして、少しでもお買い得な野菜をゲットして乗り切りましょう。
価格推移から予測!11月に値段が高騰する可能性がある野菜は?【野菜の値段と価格推移】
2023年11月に価格が高騰する可能性がある野菜は次の通りです。
・だいこん(11月前半)
・にんじん
・はくさい(11月前半)
・キャベツ(11月前半)
・ねぎ
・トマト(11月前半)
・ピーマン(11月前半)
・たまねぎ
平年並みの値段となる見込みの野菜【11月の価格推移より】
その他、価格が平年並みに落ち着きそうな野菜は次の通りです。
・だいこん(11月後半)
・はくさい(11月後半)
・キャベツ(11月後半)
・ほうれんそう
・レタス
・きゅうり
・なす
・トマト(11月後半)
・ピーマン(11月後半)
・ばれいしょ
・さといも
【野菜の値段と価格推移】2023年11月は軒並み価格が高騰…11月後半には落ち着く見込み
2023年11月は、残念ながら多くの野菜が平年より高値になりそうです。
お買い得な野菜を見つけたら、多めに買って保存しておくのがいいですね。
もやしや豆苗など、比較的値段が安定している野菜を活用するのもオススメ。
野菜不足にならないよう、チラシやアプリも要チェックです。
トクバイニュースでは、野菜の高値が続く時の賢い買い物テクニックもご紹介しています。ぜひ役立ててみてくださいね。
※2023年11月1日時点の情報です。
※天候等の影響により、価格が変動する可能性があります。
※参照:農林水産省「野菜の生育状況及び価格見通し(令和5年11月)について」
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情報提供元:トクバイニュース
記事名:「【2023年11月】野菜の値段と価格推移「今月は軒並み価格が高騰…11月後半にはほぼ平年並みの価格に落ちつく見込み」【農林水産省データ】」