里山から旧街道まで、アソビの延長で“歩く”ことを楽しむ、GO OUT遊歩倶楽部。第4回目は、横須賀沖にある「猿島」で無人島ハイクを満喫。

かつては軍事拠点として機能していた要塞としての歴史に触れつつ、島内をゆるりと観光してきた遊歩メンバーだけど……。

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猿島は横須賀沖にあり、三笠ターミナルからフェリーで上陸することができる。現在は「猿島公園」として横須賀市が管理し、島内を自由に散策することが可能。

無人島ならではのロケーションも堪能。

東京湾と房総半島を一望できる開放的な広場でコーヒーブレイクした後は、そこから階段で降りられる磯エリアへ。要塞の遺構が各所にあるといえども、島内の大半は自然のまま。無人島らしさを体感できるスポットも多い。

そのひとつが、釣り場として開放されている磯エリアの「オイモノ鼻」。東京湾の一部とは思えない僻地的な雰囲気なので、サバイバル気分をちょっとだけ味わえるかも。

島の玄関口から最も遠いこともあり、観光客も少なく、ノンビリと磯遊びが楽しめた。そして島探索のルートは、ここで折り返しとなる。

長い階段が続く「緑のトンネル」で高台へ。

帰りは、階段を登って高台に続く、別の道を歩いてみることに。趣のあるレンガ造りの「愛のトンネル」に対して、こちらは島内の自生植物で覆われた「緑のトンネル」といった雰囲気。

ジブリの世界を彷彿とさせる要塞跡ルートも魅力だけど、自然を身近に感じる散策路ルートも心地よく歩くことができる。

待っていたのは、ショッカーの秘密基地。

108段ある長い階段を登りきった先にある高台では、古びた展望台が待っていた。

じつはこの建物、「仮面ライダー」に登場する悪の組織、ゲルショッカーのアジトのロケ地としても有名。残念ながら現在は立ち入り禁止になっていたが、特撮ファンなら一度は訪れる価値ありかも。

展望台がある広場は島内で最も高い位置にあり、富士山や横須賀の街が一望できる。

松尾「こうして見ると、横須賀の街が近いですよね」
キャン「フェリーで10分ですから。こんなに近くてこんなに非日常感のあるスポットは、なかなかないかも」

こちらは高台の近くに作られた、広角砲砲座の遺構。高高度を飛ぶB-29爆撃機を迎撃するために、太平洋戦争の末期に急設されたとか。

現在は木々に覆われ、ひっそり佇んでいるが、こうして緩やかに自然と交わる人工物が、いたるところに点在しているのも、猿島ならではの景観かもしれない。

4人のシューズを拝見。無人島遊歩に選んだ1足は?

左/MAMMUT アイガー スピード BOA ハイ ゴアテックス(松尾さん)、右/VIVOBAREFOOT ハイドラ ESC(辻井さん)

アドベンチャーな散策路を満喫するなかで、4人の愛用シューズを拝見。松尾さんは、マムートのハイカットシューズを、カーゴパンツに合わせて着用。ちなみにこの日は、バックパックもマムートだった。

辻井さんは「いろんな地形を歩きそうだったから」と、地面の感触がダイレクトに伝わる水陸両用のベアフットシューズをセレクト。

左/KEEN ターギーⅣミッド ウォータープルーフ(キャンさん)、右/SALOMON スピードクロス6ゴアテックス(カエデさん)

キャンさんは「この秋に開催されたGO OUT CAMPで入手しました」という、キーンの新作トレッキングシューズ。カエデさんはサロモンを代表する人気シリーズ、スピードクロスの最新モデルを愛用。トレラン用ながらデザイン性が高く、お気に入りなんだとか。

4人とも本格的なトレイッキングに対応するモデルながら、観光地の猿島でも違和感なくスタイリッシュに履きこなしていた。

無人島らしいアクティビティといえば……。

さまざまな名所を訪れ、猿島観光を堪能した4人は、再びスタート地点のボードデッキに戻ってきた。

そして「レンタルショップ」を除いてみると、釣りセットがあることが判明。BBQセットもあり、食材は持ち込みになるが、砂浜でBBQを楽しむこともできる。

無人島でやるアクティビティといえば、やっぱり釣り!(自給自足のサバイバル設定)。ということで、釣具をレンタルして、投げ釣りに挑戦してみることに。

釣りができる場所は限られているが、平日ならそこまで混み合うことなく楽しめそう。この時期は、キスやタチウオを釣ることができるとか。

ちなみに釣具のレンタルは、竿、ハサミ、バケツ、仕掛け、餌のイソメがセットで2000円(11月〜2月は疑似餌のため+300円)。それでたっぷり遊べるなら、結構コスパいいのでは?

猿島はキス釣りの穴場なのかも?

そんなハナシをしていたら、釣りは遊び程度しかやったことがないというキャンさんと松尾さんが続けざまにヒット。ボリューミーなキスを釣り上げた。

辻井さんとカエデさんは、同じタイミングで釣り上げる奇跡も。辻井さんは、釣りはほぼ未経験ながら2匹同時にGET。

2セットの釣具を1時間ほどレンタルして遊んだ結果、合計9匹のキスを釣ることができた。投げるのもままならないビギナーでもこんなに簡単に釣れるなんて、猿島はキス釣りの穴場なのかも?

カエデさんは、最近フライフィッシングにハマっているらしく、ヤマナミ商店×ネイタルデザインのキャプチャー(観賞用ソフトケース)に、ジブンで釣ったキスを入れて、ご満悦。

カエデ「先日入手したばかりで、初めて魚を入れることができました! 一応持ってきてよかった(笑)」

たくさん遊んだあとは、島グルメを堪能。

釣りをして遊んだ後はランチタイム。ボードデッキにはテイクアウトレストランの「オーシャンズキッチン」もあり、地元食材にこだわった島グルメを堪能できる。

早速、名物の「よこすか海軍カレー」や、揚げ野菜が入った「肉みそ丼」を注文。もちろん乾杯のビールも欠かせない。

ということで、ボードデッキのテラス席で乾杯! 歩いたあとのビールが最高なのは言うまでもないが、海を見ながら味わう島グルメも抜群に美味い。

少年のようにカレーを頬張りながら、島内の魅力を語り合う4人。今回はジブンたちで自由に散策したけど、ガイドさんと一緒に巡る「探検ツアー」も毎日開催されている。

アドベンチャーな無人島ハイクを目的に訪れた猿島は、カジュアルに歩けて歴史も学べる、外遊びのテーマパークのようなスポットだった。これならファミリーでも楽しめそうだ。

猿島は都会に佇むアーバンアイランド?

朝イチで上陸し、半日たっぷり猿島を満喫した4人。帰りのフェリーの時間が近づいてきても浜辺を散歩して、ちょっと名残惜しそう。

松尾「島っていいですね……。こんな簡単に無人島に来られるとは思わなかったです」
カエデ「不思議ですよね。フェリーで直ぐなのに、非日常の異世界感もあって」
キャン「それでも、こうして海から眺める景色は都会だから、無人島だけどアーバンアイランドって感じかも」
辻井「個人的には釣りも楽しかったです。また釣りに来たいくらい(笑)」

帰りの黒船フェリーでは、遠ざかっていく島に、みんなで手を振って別れの挨拶。めちゃくちゃ遠くに遊びに来たようなテンションだけど、ここは都内から1時間ほどで訪れることができる横須賀沖。

そして約10分で朝に出発した三笠ターミナルに戻ってきた。この気軽さが、無人島「猿島」の最大の魅力かもしれない。

散歩の延長で訪れることができるし、BBQや釣りを目的に上陸するもよし。ハイキングを楽しむには、ちょっとコンパクトかもしれないけど、そのぶん見所が凝縮されている。ジブリ好きなら、ラピュタを彷彿とさせる景観も必見! 

そしてもちろん、こんな遊歩もあり。ハイクスポットは山だけじゃないのだ。さて、次はどこを歩こうか。

Photo/Fumihiko Ikemoto

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情報提供元:GO OUT
記事名:「圧倒的な非日常感! 東京湾に浮かぶ無人島を歩いてみた。【GO OUT 遊歩倶楽部/猿島編#02】