好きなことや夢だった仕事をしていても、必ずしも仕事への幸福感につながるとは限らない、と聞くとどう思いますか?
ビジネス書の世界では「夢を追って好きな仕事をしろ!」といったことがよく言われますが、カル・ニューポート著の『So Good They Can’t Ignore You』では「夢なんか追っても幸せにはなれない」と書かれており、かなり興味深い内容となっています。
天職についた人のほとんどに、人生の目的がなかった
著者はジョージタウン大学のコンピュータサイエンス学者で、数年前に以下のような研究を行いました。数年前、現在の仕事を「天職」だと感じている人に、これまでの経緯についてインタビューをしたんです。その目的は、「人がどのように自分の仕事への情熱を持つに至るのか」を調べることでした。
その結果、意外なことがわかりました。彼らの多くは、事前に「人生の目的」を決めているわけではなかったんです。彼らが「天職」と感じる仕事についた経緯は、ほとんどが偶然の結果によるものでした。
この結果は「夢を追いかけること」を信条にしている人たちにとってはショッキングな内容でしょう。楽しんで仕事をしている人たちの多くは、夢を追いかけた結果として天職を得たわけではないのですから。
これについては、ハーバード大のダニエル・ギルバートも著書『明日の幸せを科学する』の中で「人間は自分の幸せを予測するのがとても下手なので、好きで選んだ仕事でも嫌気がさしてしまうことがよくある」と伝えています。
仕事の幸福感を決める4つのポイント
では、夢を追って仕事を選んではいけないのかというと、そうではありません。本書では、仕事の幸福感を決めるのは、以下の4つの要素だとしています。
・自分の意志で行動できるかどうか
・社会の役に立てるか
・他人とのつながりを感じられるか
・スキルが向上する実感を得られるか
社会に役立つ仕事を選び、常にスキルを磨き続けるような「職人気質」の要素があるかどうかが、仕事に対する幸福感を左右するということなんですね。
好きな仕事、夢だった仕事に就いても、「こんなはずじゃなかった・・」と感じるのものもよくあること。そんなときは、上記の視点で冷静に現在の仕事内容や仕事のやり方について考えてみると、次に向かうべき方向が見えてくるかもしれません。ぜひお試しくださいね。
Photo:- By PatrickYHC
心のスイッチ、見つけよう -HAPPYW(ハッピーウー)-
情報提供元:HAPPY W
記事名:「好きな仕事なのに憂鬱?・・幸せに働くための4つの視点」