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File no. 054

《LACOSTE / ラコステ》

 

現在では、極一般的なファンションウエアとして世界中で親しまれているポロシャツだが、その起源はワニのロゴマークでお馴染みのブランド《ラコステ》にあるという。

創業から現在まで、85年にも及ぶブランドの歴史、そして永遠のスタンダードアイテムとして確固たる地位を確立している同ブランドの象徴、ポロシャツ「L.12.12」の歴史を探ってみる。

 

創業者であるルネ・ラコステは1904年生まれ。17歳の時にテニスのトーナメントで初めて優勝し、1924年には全仏オープンで初優勝を果たす。

引退する1929年までには全仏オープン、全英オープン、全米オープンで優勝を果たし、4大大会の優勝数が10に達する偉大なテニスプレーヤーとなっていた。

ちなみに《ラコステ》を象徴するワニのロゴマークは、1923年頃にルネ・ラコステが”ワニ皮のスーツケースを賭けた”というエピソードを聞きつけたマスコミ記者が、”ワニ”という愛称を彼に付けたことが起源だといわれている。

またルネ・ラコステ自身もこの愛称を気に入り、1926年にワニの刺繍を自らのブレザーに施し、それを好んで着用したという。

《ラコステ》を象徴するワニのロゴマークは、こうして誕生した。

 

また、同年の1926年には、ポロプレーヤーのユニフォームにインスピレーションを受け、体を楽に動かすことができる半袖のシャツに着目・研究し、世界初のポロシャツを考案する。

当時のテニスプレーヤーは一般的に、襟付きで長袖のワイシャツのようなユニフォームを着てプレーしていたが、ポロプレーヤーが着用していた半袖ユニフォームの形状や素材をテニスのユニフォームに応用できないかと考えたのだ。

そこでニット生地の専門家であるアンドレ・ジリエの協力を得て、軽量でいながら丈夫で吸湿性に優れ、無理なく体を動かしながら体に呼吸をさせることのできる生地、ピケコットンを開発する。

このピケコットンを使用した最初のポロシャツシリーズは、ルネ・ラコステ自らが着用テストを行い、微調整を繰り返した。

そして1933年に世界初のポロシャツであり、ワニのアイコンを配した《ラコステ》初のポロシャツである、歴史的な「L.12.12」を誕生させた。

 

ちなみに、商品名「L.12.12」の意味は、「L」は《ラコステ》のL、「1」は独特の素材(プチピケ)を示し、「2」は半袖であることを示す。

最後の「12」は、最終的にルネ・ラコステに選ばれたテストサンプルの番号を示している。

 

ポロシャツの起源といわれる一着をぜひ。

 

情報提供元:men's FUDGE
記事名:「【L】 LACOSTE