映画スチール写真、日本公開タイトルで探せる11万点

写真のライセンスビジネスに関わってかれこれ20年になる。写真は、人の記憶を記録してあるものなのかー、と感じることしばしばであったが、奥深さはまだ到底計り知れない。深淵を少しでも覗きたいと思う時、体を突き動かす知識欲に動かされる。その衝動は時に空腹をも忘れさせるほどだ。

人の記憶と記録をつなぎ合わせるちょっとした大仕事にとりかかる時には、これまで出逢ってきた『深み』が並大抵ではない人たちに助けられてきた。

イギリスにある、古い写真やイラストのライセンス管理を専門とするアーカイブフォトエージェンシー「メアリー・エバンス・ピクチャーライブラリー(Mary Evans Picture Library )」の代表、ポール・ブラウン(Paul Brown)、も間違いなくその中のひとり。「映画の神」と言えばポール、その思いは最初に出会ってから15年以上が過ぎ、情報化社会となった今でも変わらない。

メアリー・エバンス(Mary Evans)社の映画スチール写真はこちら

 

文 :伊藤 章彦(アマナイメージズ『Portfolio by amanaimages』編集チーム Editor at Large)
写真:Touchstone Pictures/AF Archive/Mary Evans/amanaimages
TOUCHSTONE PICTURES/Ronald Grant Archive/Mary Evans/amanaimages
Paramount Pictures/AF Archive/Mary Evans
AF Archive/Mary Evans/amanaimages
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Paramount/AF Archive/Mary Evans/amanaimages
Thorn Emi Video/AF Archive/Mary Evans/amanaimages

「映画のことならなんでも聞いてくれ」。ポールと初めて会った時、そう言われた。ふと浮かんだのは、もう何年も前、学生時代に深夜放送で何の気なしにボーっと見ていた映画のことだった。

覚えていたのは乗客は奇妙な金持ちばかりで、全米ノンストップ横断ができるバスが出てくる、B級コメディだということ。『原子力バス サイクロプス号』という名前。ボーリング場やプールも設備されて、洗車もタイヤ交換も走りながらやる、そんな映画の断片だけだ。

思いのほか面白くて最後まで見たのだが、見始めた時にはそこまで気にしていなかったのでタイトルも調べず、記憶の中にぼんやりとあった映画。ポールにその内容を話してみると、「The Big Bisだね!」と即答。ウェブサイトで見せてもらうと、記憶の中にあった映画のシーンがたくさん。

この人はすごいな、と圧倒されたのをよく覚えている。極めて断片的でぼやけた他人の記憶から、どの映画かをピタリと当てるなど、単純に情報量だけではできない芸当だと思うのだ。

映画 ”The Big Buss”の1シーン。記憶の底にあった70年代B級コメディ映画の臨場感が、写真とともによみがえる。

 

何ともいえないファニーな世界観がたまらない、 ”The Big Buss”

 

 

 

映画 ”The Big Buss”、ラストシーンでのバスの外観。邦題が『弾丸特急ジェット・バス』ということも判明。長年の謎が1分で解明、である。

 

今回アマナイメージズがお届けするのは、世界的にも知られるメアリー・エバンス(Mary Evans)社の、映画スチール写真アーカイブ・コレクション。

「アーカイブ写真コレクション」というのは、まだ入手先が限られていた時代の画像や映像を、現代的に整理収集したものだ。

1925年~2009年まで、数々の名画の記憶にのこる名シーンからポスターなど、その数11万点以上のユニークな写真群を、報道、出版など、エディトリアル目的でお使いいただくことができる。企画やクリエイティブの発想が広がるテーマではないだろうか。

中学生の頃、3度劇場に足を運んだ大好きな映画についても紹介したい。

物語は、ある夏の日、ふたりの少女がビーチで出会うところからはじまる。映画『フォエバー・フレンズ』

 

生まれも育ちも違うふたりは、夏が終わればまた普段の生活に戻ってしまう。けれど、ずっと友達でいよう、と約束したふたりは、文通でどんなことでも話せる友達映画『フォエバー・フレンズ』のワンシーン。

大人になっても変わらない友情を育んでいく。映画『フォエバー・フレンズ』

 

 

平坦な人生なんてない。様々なことがあり、大人になってから再会を果たすふたり。鉄パイプを叩いて家主に知らせないとヒーターもつかないボロアパート暮らしでも、笑顔はたえない日々が続いた。映画『フォエバー・フレンズ』

夢を追いかけ、やがて成功を手にするも、ふたりの間から笑い合う時はいつの間にか消えていた。ずっと友達でいられると信じていた相手といがみ合う日々ー、後戻りできないふたりは、距離をおくことに。別々の道を歩み始めるふたりだが、やがて残酷な運命が迫りくる中、最期に思い浮かべたのは……映画『フォエバー・フレンズ』

人生を通して育んできた2人の友情を描いたこの物語、日本公開タイトルは『フォエバー・フレンズ』。
主演のひとり、ベット・ミドラーが歌う主題歌 “Wind Beneath My Wings” は1989年にシングルとして発売され、全米ヒットチャート第1位に輝いた。

 

 

映画の原題は”Forever Friends”だと思い込んで、疑いもしなかった。後年、英語でもう一度見てみようと思い、はじめてこの映画の原題が”Beaches”であると知る。確かに英語圏で”Forever Friends”だったらベタすぎるが、日本で『ビーチ』と言っても何の映画だか伝えるのに一苦労では済まないだろう。

日本は、映画のタイトルも意外とガラパゴス化しているのだ。

今回のアマナイメージズの企画では、原題はもちろん、日本で公開された邦題でも、映画スチール写真を探すことができるのが特徴。オリジナル公開1925年~2009年まで、数々の名画の記憶にのこる名シーンからポスターなど、その数11万点以上。心に残る映画、今だから知ってもらいたい映画がきっと見つかるのではないだろうか。

メアリー・エバンス(Mary Evans)の映画スチール写真はこちら

 

メアリー・エバンス(Mary Evans)の映画スチール写真は、報道、出版など、エディトリアル目的でお使いいただけます。

広告、販売商品などにご使用の場合には、別途、被写体等へのライツクリアランスが必要となります。ご希望の際には、弊社ライツクリアランスサービスをぜひご検討ください。リサーチ、ご使用に関するご質問など、お気軽にアマナイメージズカスタマーサポートまでお問い合わせください。

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情報提供元:PORTFOLIO
記事名:「映画スチール写真、日本公開タイトルで探せる11万点