バラの甘い香り、レモンやオレンジの爽やかな匂い、コーヒーのビターで酸味の効いたアロマ。さまざまな香りがありますが、人によって心地よく感じる香りは違います。また、香りを感じる臭覚は脳の神経とつながっていて、香りが脳の働きを左右する大事な要素なのだそう。今回は、インドの伝承医学アーユルヴェーダの観点から、「ピッタドーシャ」に効果的なアロマオイルをご紹介します。自分の体質の合った香りを日々の暮らしにちょっとプラスしてみませんか?
おさらい ドーシャとは?
ドーシャとは、アーユルヴェーダの概念のひとつで、五大元素(空・風・火・水・地)をもとにした3つの生命エネルギー「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」を総称したもの。このドーシャバランスは一人ひとり異なると言われており、心身の不調を感じた時は、ドーシャのバランスが乱れていると考えられます。
ピッタ体質の特徴
ピッタドーシャは、火と水のエネルギーから構成されています。ピッタ体質の方は、ヴァータの火のエネルギーが持つ熱性、鋭性、軽性、水のエネルギーの液体性といった特徴が見られます。消化力が強く、代謝が早いため食べても太りにくく、中肉中背のバランスのとれた体型の人が多く、真面目で曲がったことが嫌いな、リーダー気質の性格です。
火の性質を持つピッタ体質の方は、頑張りすぎたり時間に追われる生活を過ごしていたりすると、その火が大きくなり過ぎてドーシャバランスが乱れ、次のような不調を感じることがあります。
1) イライラ、怒りっぽい
2) 批判的、攻撃的な考え、口調になる
3) 体臭、口臭がきつくなる
4) 目の充血や胃炎、胃潰瘍といった炎症
5) 過剰な食欲
など
ピッタ体質に合うアロマオイル
知的で情熱的、そして消化力もあるためよく食べ、よく眠れるピッタ体質の方ですが、心も体も熱を上げ過ぎてしまいがちです。ついつい頑張ってしまう心身をクールダウンさせ、リフレッシュ効果のあるアロマオイルを選んでみましょう。
・ラベンダー
甘く優しい香り。心を落ち着かせ、イライラを緩和するといった、感情のバランスをとる効果のほかに、鎮静・抗炎症作用があるため、赤いにきびや湿疹にも有効。
・カモミール
フルーティーでりんごのような香り。感情をコントロールし、ありのままの自分を受け入れることを促す効果があります。皮膚の炎症やかゆみを抑える作用も。
・サンダルウッド
ウッディーで甘く深みのある香り。心身ともにクールダウンさせる効果があるため、神経系の興奮状態を鎮め、下痢や湿疹、口内炎とった熱性の不調に働きかけます。
・ローズ
女性らしさを高める、甘く濃厚な香り。幸福感をもたらしてくれるローズは、精神面からくる高血圧や動悸を落ち着け、消炎・抗炎症作用があるため、肌荒れのケアにも効果的。
・ネロリ
苦味のあるフローラルな香り。興奮と鎮静のバランスをとる特徴があり、過敏な感受性や感情の不安定さを和らげてくれます。炎症を落ち着かせたい時や、下痢にも◎。
・ジャスミン
濃厚で甘いフローラルの香り。感情のバランスをとり、気持ちを和らげ、心にゆとりを持たせる効果があります。保湿・抗炎症作用があるため、スキンケアにも優れています。
・マジョラム
甘くてスパイシーな香り。心のバランスを取ることが基本的な性質で、神経系を鎮める働きがあるため、気持ちをリラックスさせてくれます。過剰な食欲を抑える効果も。
・ベルガモット
グリーンとフローラル系を感じる柑橘系の香り。心の中に溜めたイライラや不満を解き放つ手助けをしてくれます。にきびや湿疹、口内炎の改善、解熱にも効果的。
・ゼラニウム
ローズのような甘くて強い香り。今の自分の感情を素直に受け入れ、リラックスさせてくれるゼラニウムは、抗炎症作用に優れ、熱を冷まし、血液の循環を促す作用があります。
・ペパーミント
スーッとしたメントールの香り。体を温めた後に冷やし、爽快感をもたらす作用は、炎症や高熱といった、熱性の不調に効果的です。
・グレープフルーツ
爽やかで軽く、ほんのり甘いシトラス系の香り。欲求不満から生じる気持ちを浄化し、気分を爽快にする効果があります。暴飲暴食で疲れた胃の熱を冷ます作用も。
・レモン
柑橘類の爽やかな香り。気持ちをリフレッシュさせ、明るい気持ちに導いてくれます。解熱や暴飲暴食による胃のむかつき、血行促進にも効果的。
プロに聞いた!ピッタ体質にピッタリのアロマブレンド
ピッタタイプの不調を緩和するのに効果的なアロマをいくつか紹介しましたが、携帯用のボトルに入れて、気になった時にサッと香りをまとって症状を和らげることができたら嬉しいですよね。そこで、オイルトリートメントサロン「マナラボ」のセラピスト山口侑里さんに、オススメのアロマブレンドを伺いました。
―山口さん推薦 アロマブレンドー
1) ラベンダー
2) ゼラニウム
3) マジョラム
4) サンダルウッド
―ボディースプレーの作り方(50ml)―
1) お好みの精油 合計1〜10滴
2) 精製水 45ml
3) 無水エタノール 5ml
4) 遮光スプレーボトル
1) スプレーボトルに無水エタノールを入れ、オイルを加えて混ぜる。
2) 精製水を加えてさらによく混ぜ合わせる。
※使用前に必ず容器をよく振ってからスプレーしましょう。
頭に血が上るような感情の高ぶりや体の熱が高まって起こる炎症を鎮めるため、「ON状態になっている人をOFFにする」をテーマにセレクトしました(山口さん)。
いかがでしたか?ご自身の体質の特徴を知っていれば、大きな病気となって体に現れる前に少しずつセルフケアすることが可能です。みなさんも優しいアロマオイルの香りに包まれながら、日々の不調を手放していきましょう。
情報提供元:Tonoel
記事名:「アーユルヴェーダ体質別アロマオイル選び【ピッタ編】」