デクスコムジャパン合同会社は、11月14日の「世界糖尿病デー」に先駆けて、糖尿病に関するメディアセミナーを開催。

糖尿病は、日本国民の5~6人に1人が罹患する、現代社会における重要な健康課題です。
国民病ともいえる糖尿病との向き合い方について理解を深める場として、医療機器メーカー、糖尿病専門家医、糖尿病患者というそれぞれの立場から、日本の糖尿病および糖尿病患者の現状について語られました。

国内糖尿病患者のQOL向上を目指して
糖尿病患者の方は、日常的に自身の血糖を把握する必要があります。
その測定方法として一般的なものが、指先穿刺による血糖自己測定器(SMBG)を使用した測定です。

ただ、この測定方法は指先に針を刺して流した血の血糖を測ることになるため、痛みを伴うほか、その瞬間の血糖しか測れず、測っていなかったときに血糖がどう推移していたか分からないという課題があります。
これに対し、持続血糖測定器(CGM)は皮下にセンサーを取り付けることで患者の負担も少なく、継続的に血糖を把握することが可能になります。
CGMを研究・開発しているデクスコムジャパン浅野社長は、「アメリカの糖尿病学会のガイドラインでは、CGMはインスリン患者に提供すべきである、と強い推奨がされており、まだ十分に普及されていない日本においてもこうした世界を作って行きたい」と意気込みを語りました。

CGMにより「諦めない」が選択肢に
大学生のときに1型糖尿病と診断されたというモデル・ライフクリエイターの星南さんは、診断当初は戸惑いを隠せなかったといいます。

周囲の糖尿病に対する知識や理解も乏しく、血糖の測定やインスリン注射も人目を避けて行っていたそうです。

そんな中留学先のアメリカで、「1型糖尿病は君の個性だね」と声をかけてもらったことで、病気を隠さずに前向きに挑戦し続ける気持ちになれたそう。
今では、フルマラソンやトライアスロン、トレイルなどにもチャレンジするなど、アクティブなライフスタイルを送っているそうです。

「糖尿病発症前のライフスタイルに近づけているのはCGMのおかげ」と、星南さん。
SMBGからCGMに変更したことで、血糖の変動を予測して対処ができるため血糖のマネジメントが楽になり、諦めなくてよいことも増えてきたそうです。

日本におけるCGM普及のカギは
日本における糖尿病診療の特徴として、医師が短い時間で多くの糖尿病患者を診ているという状況があります。

CGMによる膨大な量のデータ(患者一人一人の血糖推移のデータ)を取り扱うにあたっての医療体制が十分とはいえず、医療現場のリソース問題・時間ファクターが普及の遅れの一因になっていると、東京医科大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授の鈴木亮先生は見解を述べました。

一方でデバイスが洗練されて行き、患者にも十分な情報が行き渡り、自身で血糖データの管理・マネジメントができるようになってくれば、こうした状況も変わってくるのではとも語りました。

糖尿病患者にCGMという選択肢が周知され、また使い方を含めたサポートの充実が普及のカギといえそうです。

情報提供元:WomanSmartLife
記事名:「糖尿病患者の「できない」を「できる」に! 日本の血糖モニタリングのDX化がカギに