新型コロナウイルス禍中(2020~22年)の症状の改善度

サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループ(グループ本社:東京都港区、代表:室田博夫)は、2023年8月、全国を対象に行った、アレルギー様症状*の実態と変化に関する調査(以下、本調査)の結果を発表しました。

本調査は、昨今のアレルギーに関する実態・意識、および2018年からの変遷を把握することを目的に、調査会社への調査委託を通じて行われました。

本調査の結果、新型コロナウイルス禍前と新型コロナウイルス禍中(2020~22年)を比較した場合、新型コロナウイルス禍中のアレルギー様症状の自覚がある人のうち、改善したと感じた人(「大幅に改善した」「改善した」と回答した人)の割合は約2割、改善したと感じなかった人(「変わらない」「ひどくなった」「とてもひどくなった」「その他/分からない」と回答した人)の割合は約8割を占めました。
症状別にみると、「大幅に改善した」と回答した割合が、呼吸器症状で6.9%となり、皮膚症状の3.2%、眼・鼻症状の3.2%を上回りました。また「ひどくなった」と回答した割合も、呼吸器症状では7.0%と、皮膚症状の3.4%、眼・鼻症状の2.9%を上回りました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/390517/LL_img_390517_1.jpg
新型コロナウイルス禍中(2020~22年)の症状の改善度

新型コロナウイルス禍中において呼吸器症状が改善した(「大幅に改善した」「改善した」)理由として、主に以下の理由が挙げられました。
● マスクをしたから(56.5%)
● 手洗い・うがいなどウイルス感染予防がアレルギー症状悪化予防につながったから(41.8%)
● 人との接触を控えたのでウイルス感染などによるアレルギー症状悪化が少なかったから(36.6%)

一方、新型コロナウイルス禍中において呼吸器症状が改善しなかった(「変わらない」「ひどくなった」「とてもひどくなった」「その他/分からない」)理由としては、「分からない(51.5%)」が一番多く、それ以外では主に以下の理由があげられました。
● 病院・診療所を受診しなかったから(19.2%)
● マスクではアレルゲンは防げなかったから(16.7%)
● 家の中で過ごすことが多く、ハウスダストに暴露されたから(8.7%)


この結果について、昭和大学病院 病院長である相良博典氏に解説していただきました。
「今回の調査結果から、新型コロナウイルス禍での生活習慣の変化が、特に呼吸器症状のある方に影響したことが推察されます。調査結果では、症状が改善したと回答した方のうち「マスクをしたから」と答えた方が50%を超えました。新型コロナウイルス禍でマスクの着用が習慣化したことで、花粉などのアレルゲンの影響を減らすことができた、と考えられます。加えて、「手洗い・うがい」「人との接触を控えた」といった生活習慣の変化により、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染を予防することができたため、ウイルス感染による呼吸器症状の悪化を避けることができた方もいたと思われます。
また、呼吸器症状に改善がみられなかった方のうち、「病院・診療所を受診しなかったから」と答えた方が約20%いました。新型コロナウイルス禍中での医療機関への受診控えの影響と考えられます。次に、「マスクではアレルゲンは防げなかったから」「家の中で過ごすことが多く、ハウスダストに暴露されたから」の順で回答率が高く、マスクの着用機会は増えたものの、マスクがアレルゲンの侵入を完全に防げているわけではないことや、着脱時、非着用時におけるアレルゲン侵入の可能性が伺えます」

加えて、相良博典氏から、医療機関への受診の重要性についてコメントをいただきました。
「本調査結果から、新型コロナウイルス禍が医療機関への受診控えをもたらし、その結果、特に呼吸器症状のある方の自覚症状に影響を及ぼした可能性が推察されました。医療機関で血液検査などのアレルギー検査を受けることは、早期にアレルギーの原因となるアレルゲンを特定し、結果として治療の選択肢を広げることにつながるため、とても重要であると考えています。呼吸器症状の中でも特に喘息は、吸入ステロイド薬や気管支拡張薬などの処方を受けるために、医療機関への受診が必要になります。アレルギー様症状の自覚がある方は、症状の悪化を防ぐためにも、ぜひ早期に医療機関にご相談ください」


*「アレルギー様症状」とは以下を指します。
・皮膚症状:皮膚が赤くただれたり、かさかさしたり、かゆみが強いなどの症状
・呼吸器症状:息をするとヒューヒュー、ゼーゼーなどの音がしたり、呼吸が苦しくなったり、ひどくせきこんだりするなどの症状
・眼・鼻症状:目がひどくかゆくなり充血したり、くしゃみや鼻水が止まらなくなったり、ひどく鼻がつまるなどの症状


■調査概要
・調査委託機関:株式会社マクロミルケアネット
・調査方法 :インターネットリサーチ
・集計方式 :人口構成に基づいたウェイトバック集計
・調査対象 :直近1年間でアレルギー様症状を自覚していると回答した本人
(中学生を除く15歳以上の男女)
あるいは子どもに症状があると回答した保護者
(20~59歳の女性)
※但し、新型コロナウイルス禍中の質問については、
うち3年以上前から症状があると回答した方が対象
・調査人数 :5,146名
・調査地域 :日本全国
・調査時期 :2023年8月4日(金)~2023年8月8日(火)


※プレスリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承、ご注意をお願いいたします。


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URL: https://www.thermofisher.com

情報提供元:@Press
記事名:「「アレルギー様症状*に関する全国実態調査」の結果を発表 マスクの着用や医療の受診控えなど新型コロナウイルス禍での生活習慣の変化が、特に呼吸器症状の「改善」に関する回答に影響