マイクロプラスチック観察キット「ぷらウォッチ」


製品断面図


観察イメージ


琉球大学 教育学部 学校教育教員養成課程 技術教育専修 岡本 牧子教授

HORIBAグループで分析・サービス事業を担う株式会社堀場テクノサービス(本社:京都市南区、代表取締役社長:千原 啓生)は、マイクロプラスチック観察キット「ぷらウォッチ(R)」※1の一般販売を2024年10月30日に開始します。

近年深刻化するマイクロプラスチックが引き起こす環境問題への教育に役立てるため、砂中に含まれる微量のマイクロプラスチックを可視化できる簡易観察キットとして、2021年に本製品を開発しました。出前授業やイベントで認知促進をはかりながら、教育機関などでの研究にも貢献してきた本製品は、多くのステークホルダーの皆様からご要望を受け、この度の販売にいたりました。
また、HORIBAグループの中長期経営計画「MLMAP2028」※2では、サステナビリティ戦略の一つとして、はかる技術を通じた次世代教育の機会提供や実施を目標に掲げています。
次代を担う子どもたちが環境問題をより身近に感じ、興味・理解を深めていくことに役立てるため「ぷらウォッチ」を用いた出前授業やイベントを今後5年間で100件実施することをめざします。


【開発の背景】
近年、プラスチックごみが波や紫外線等の影響で微細化したマイクロプラスチックによる海洋汚染が深刻な社会課題となり、教育の現場においても取り上げられる機会が増えてきました。
国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)においても、さまざまな社会課題が挙げられていますが、HORIBAではその多くの課題の解決は「はかる」ことから始まると考えています。
こうした背景から、子どもたちが海洋汚染の実態をより理解することを目的に、浜辺などから採取した砂に含まれるマイクロプラスチックを可視化できる簡易学習キットを開発しました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/415327/LL_img_415327_1.png
マイクロプラスチック観察キット「ぷらウォッチ」

【製品の特長】
1. マイクロプラスチックの有無を簡易に観察
・プラスチックの分析には、含有成分とその分布を特定することのできる赤外分光法が有効とされていますが、前処理を含めると数日かかることもあります。本製品は「迅速な可視化」を主目的とし、蛍光分析の技術を応用することで、わずか1時間程度での観察が可能となりました。(サンプル採取の時間を除く)
・染色液を用いて発光させたマイクロプラスチックは、スマートフォンやタブレット※3などのカメラを通して観察することができます。また、そのまま撮影することで画像資料としても有用なものとなります。

画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/415327/LL_img_415327_2.png
製品断面図

染色作業
(1) サンプルの砂を染色液※4で染色し乾燥させる
(2) エタノールで洗浄後、再度乾燥させる
(3) プレパラートに砂を貼り付ける(染色作業の所要時間は約1時間)

観察工程
(1) プレパラートを「ぷらウォッチ」にセットする
(2) 緑色光を照射することで染色した砂中のプラスチックが光る
(3) スマートフォンやタブレットなどで観察可能に

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/415327/LL_img_415327_3.jpg
観察イメージ

2. 「脱プラスチック」を意識した製品設計
製品本体はサステナビリティの視点から、材料にプラスチックを極力使用せず、再生紙段ボールで構成しました。
また、子どもたちがものづくりの楽しさを味わえるよう、自分たちで組み立てることができます。


【導入事例】
沖縄県の琉球大学教育学部・岡本 牧子教授は、技術科教育を専門としながらも、海洋教育や環境教育にも注力されています。
教育活動の一環で、竹富町教育委員会が実施している海洋教育プログラムでは、「ぷらウォッチ」を教材として用いられた実績もあります。マイクロプラスチック問題への意識向上と行動変容を促す教育手法を開発することを目的とし、児童が自ら海浜で砂のサンプリングを行い、蛍光観察、およびデータの記録を行う授業を実践されています。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/415327/LL_img_415327_4.jpg
琉球大学 教育学部 学校教育教員養成課程 技術教育専修 岡本 牧子教授

【岡本教授のコメント】
沖縄県では海洋教育に力を入れており、「ぷらウォッチ」を活用すれば、より意味のある授業になると思い、ぜひこの教材を沖縄に広めていきたいと考えています。
また、単なる授業づくりではなく、技術教育を行う立場として、論理的に作られた「ぷらウォッチ」という教材に込められた、分析計測機器メーカーの技術力も子どもたちに知ってほしいという想いもあります。


※1「ぷらウォッチ(R)」は、株式会社堀場テクノサービスの登録商標または商標です
※2 MLMAP(Mid-Long Term Management Plan):当社では中長期経営計画を「MLMAP」として社内浸透させています
※3 iPhone、iPadでの観察を推奨。iPhone、iPadはApple inc.の登録商標または商標です
※4 染色液、洗浄液を使用する際は、付属の取扱説明書に記載の注意事項を必ずお守りください


【販売に関してのお問い合わせ先】
株式会社ナリカ(販売代理店)
https://www.rika.com/product/detailed/N65-9620

情報提供元:@Press
記事名:「マイクロプラスチック観察キット「ぷらウォッチ」の一般販売を開始 ~「はかる」と「わかる」を体験できる簡易学習キットでサステナビリティ教育に貢献~