立体構造物の110GHzまでの高周波特性を評価
東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --キオクシア株式会社と株式会社モーデックは、立体構造物の110GHzまでの高周波特性を評価できる3次元プロービング技術を開発しました。本技術はパリ(フランス)で開催された国際会議EuMC (The European Microwave Conference)において、9月26日(現地時間)に発表しました(*1)。
一般的に、データセンターに使われるSSDは、プロセッサのマザーボード上のPCIe®などの高速インターフェースのコネクタに挿入して用います。この場合、高速インターフェースの経路はプロセッサのマザーボード上の伝送線路から垂直型のカードエッジコネクタを経由してSSDのボード上の伝送線路に至る立体構造を有しています(図1)。従来は立体構造を持った伝送線路の高周波特性を直接評価することはできず、シミュレーションを用いていました。今回、3次元プロービング技術を開発したことにより、立体構造を持った伝送線路の110GHzまでの高周波特性を直接評価することが可能になりました。
立体構造物の高周波特性を評価するため、適切に立体構造の被測定物にコンタクトできる3次元プローブステーション(図2)を開発しました。この3次元プローブステーションは被測定物にコンタクトする高周波プローブと高周波信号を周波数変換するエクステンダが一体となって回転する機構を有し、立体構造物へのプローブのコンタクトを可能にしました。
また、正確に高周波特性を評価するために、立体構造物評価用のスルーの標準器(図3)を開発しました。垂直に折れ曲がった立体構造物の評価用として、フレキシブル基板上に作成したスルーを治具で垂直に折り曲げて固定したものをスルーの標準器としました。
これらの3次元プローブステーションと立体構造評価用のスルーを用いることにより正確な校正に基づいて、2枚のプリント基板上の伝送線路をコネクタで垂直に接続した被測定物(図4)の110GHzまでの高周波特性を評価することに成功しました。
この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」 (JPNP 20017) の委託事業の結果、得られたものです。
*1 Y. Sakuraba et al., “A 110-GHz Probing System for S-parameter Measurements of Three-Dimensional Objects,” European Microwave Conference 2024 (EuMC 2024), EuMC46-4
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記事名:「キオクシアとモーデックによる3次元プロービング技術の開発について」