前日発表された米ADP雇用統計は強含み、雇用情勢の改善を示した。また、パウエルFRB議長はインフレ高止まりに言及し、引き締め的な政策が続くとの思惑が広がった。ただ、長期金利の上昇一服でドル売りに振れユーロ・ドルは1.0830ドル台に浮上、ドル・円は152円に接近後に151円半ばまで失速。本日アジア市場でドル・円は日本の為替介入への警戒感から下押しされたが、151円半ばから小幅に値を戻している。
この後の海外市場は米金融政策への思惑が広がりやすい。FRB当局者は現行の引き締め的な政策スタンスを堅持したい考えで、ドル選好地合いが続く。今晩の新規失業保険申請件数が想定通り弱い内容でも、明日の雇用統計を見極めるムードが広がりドル売りは限定的に。一方、ドル・円は152円付近で為替介入が想定されるものの、介入見送りの観測も根強い。政府の対応を注視しようと売り買いは抑制される可能性もあろう。
【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・3月サービス業PMI改定値(予想:51.1、速報値:51.1)
・17:30 英・3月サービス業PMI改定値(予想:53.4、速報値:53.4)
・18:00 ユーロ圏・2月生産者物価指数(前年比予想:-8.5%、1月:-8.6%)
・20:30 欧州中央銀行(ECB)3月理事会議事要旨
・21:30 米・先週分新規失業保険申請件数(予想:21.4万件、前回:21.0万件)
・21:30 米・2月貿易収支(予想:-675億ドル、1月:-674億ドル)
・21:30 カナダ・2月貿易収支(予想:+6.8億加ドル、1月:+5.0億加ドル)
・23:00 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁座談会参加
・01:15 バーキン米リッチモンド連銀総裁講演(経済見通し)
・01:45 グールズビー米シカゴ連銀総裁質疑応答
・03:00 メスター米クリーブランド連銀総裁講演(経済見通し)
・08:20 ムサレム米セントルイス連銀総裁開会あいさつ
・08:30 クーグラー米FRB理事講演
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情報提供元:FISCO
記事名:「欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米早期利下げ観測後退も152円を意識」