米国株式市場は反発。ダウ平均は188.59ドル高の44,910.65ドル、ナスダックは157.69ポイント高の19,218.17で取引を終了した。
大統領選挙後、中小企業の信頼感指数が上昇、また、関税策を巡りトランプ次期大統領とカナダ、メキシコ首脳が建設的な対話をしたことが明らかになり懸念が緩和し投資家心理の改善で買われ寄り付き後、上昇。感謝祭の翌日ブラックフライデーで小売店の割引セールなどに売上が過去最高規模に達するとの楽観的見方や年末商戦に向けた期待も手伝い小売セクター中心に買われ、相場全体を押し上げた。長期金利の低下を好感し、ハイテクも強く相場は終日堅調に推移、ダウは過去最高値を更新し、終了。セクター別では、自動車・自動車部品や半導体・同製造装置が上昇した一方、不動産が小幅下落した。
半導体のエヌビディア(NVDA)などは、バイデン政権による追加の対中半導体輸出規制が当初検討されていたよりも緩やかなものとなったため、上昇。玩具メーカーのハズブロ(HAS)は電気自動車メーカー、テスラ(TSLA)のマスク最高経営責任者(CEO)が投稿で、同社買収をほのめかし、上昇した。
ディスカウント小売のウォルマート(WMT)、スポーツ用品メーカーのナイキ(NKE)、ヨガアパレルのルルレモン(LULU)などは、年末商戦での売り上げ増期待にそれぞれ上昇。サーバーソリューション会社のスーパー・マイクロ・コンピューター(SMCI)はナスダック証券取引所での上場廃止リスクが警戒され、売られた。
投資家の恐怖心理を示すVIX指数は13.49まで低下し、7月以来の低水準となった。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:植田日銀総裁発言を受けて日銀追加利上げ観測強まる
29日のニューヨーク外為市場でドル・円は150円53銭まで上昇後、149円47銭まで下落し、149円61銭で引けた。リスク選好の円売りが強まったのち、11月東京消費物価の加速に加え、植田総裁の円安是正発言を受けて、日銀の早期追加利上げ観測が強まり円買いが加速した。
ユーロ・ドルは1.0542ドルまで下落後、1.0581ドルまで上昇し、1.0580ドルで引けた。ユーロ・円は、158円89銭まで上昇後、158円04銭まで下落した。ポンド・ドルは1.2672ドルまで下落後、1.2750ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.8828フランまで上昇後、0.8800フランまで下落した。
■NY原油:弱含み、調整的な売りが強まる
NYMEX原油1月限終値:68.00 ↓0.72
29日のNY原油先物1月限は弱含み。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は、前営業日比-0.72ドル(-1.05%)の68.00ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは67.87ドル-69.69ドル。米国市場の中盤にかけて69.69ドルまで買われたが、供給不安はある程度解消されていることから、調整的な売りが強まり、通常取引終了後の時間外取引で67.87ドルまで反落。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 47.51ドル -0.26ドル(-0.54%)
モルガン・スタンレー(MS) 131.61ドル +0.40ドル(+0.30%)
ゴールドマン・サックス(GS)608.57ドル +3.14ドル(+0.51%)
インテル(INTC) 24.05ドル +0.40ドル(+1.69%)
アップル(AAPL) 237.33ドル +2.40ドル(+1.02%)
アルファベット(GOOG) 170.49ドル -0.33ドル(-0.19%)
メタ(META) 574.32ドル +5.12ドル(+0.89%)
キャタピラー(CAT) 406.11ドル +2.41ドル(+0.59%)
アルコア(AA) 46.43ドル +0.55ドル(+1.19%)
ウォルマート(WMT) 92.50ドル +0.62ドル(+0.67%) <ST>
情報提供元:FISCO
記事名:「29日の米国市場ダイジェスト:NYダウは188ドル高、年末商戦に期待」