2024年9月期第3四半期累計の売上高は6,061百万円(前年同期比22.8%増)、営業利益は917百万円(同64.3%増)で着地した。2024年4月からの価格改定を契機とした解約や比較的大きめの企業の解約等も発生して解約率は上昇したが期初想定の範囲内で推移しており、低解約率による安定的で持続可能な成長モデルを維持している。なお新規顧客獲得は、中小規模の契約を安定して獲得できたものの、前述の解約増の影響もあり、契約企業数はQoQで61社となった。一方、価格改定の影響により、ARR(前年同期比16.1億円増)とARPU(同587円増)は大幅に上昇。2024年9月期の売上高は8,316百万円(前期比22.7%増)、営業利益は945百万円(同33.5%増)を見込む。
同社サービスはID統合やアクセス制限機能に加えて、メールやファイルの情報漏洩対策、サイバー攻撃への対策にも強く、競合が少ない市場でも優位性を確立している。国内企業では業務のクラウド化が進み始めてはいるものの、実際にクラウドの働き方を導入できている企業はまだ少ない。企業はDX・業務のクラウド化・SaaSを活用したワークスタイルへの移行を今後ますます加速していくため、同社にとっては大きな潜在マーケットが存在している。日本国内の地域別での潜在顧客分布でも東京以外の都市にも多くのマーケットが存在するため、東京だけでなく、販売パートナーとの連携強化による名古屋、大阪、福岡等での地域的な拡大を進めている。成長戦略として契約企業数とARPUの向上に注力し、ARRの持続的な成を掲げており、HENNGE One ARRのCAGRを20%台中盤にすることで2025年9月期末までにARR100億円以上を目指す。独自性の高いサービスを展開する中、市場環境の追い風も相まって今後も業績の2桁成長は続ききそうで、同社の動向に注目が集まろう。
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情報提供元:FISCO
記事名:「HENNGE:企業向けクラウドセキュリティサービスを提供、DX需要追い風に業績の2桁成長続くか」