~近年の事故動向と製品安全の動き~

 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は2024年10月31日、「2023年度 事故情報解析報告書」を公表しました。
 NITEは年に2回、その前年度の情報を取りまとめた報告書を公表しており、春には「事故情報収集報告書」として統計的な情報を発信し、秋には「事故情報解析報告書」として事故情報からわかる社会の動向を紹介しています。

 今回公表したのは、2023年度までに収集した事故情報(2024年8月31日時点)を取りまとめた「事故情報解析報告書」です。図1は報告書の目次で、ここではその中から「2023年度の事故発生製品ランキング」と「ポータブル電源の事故」の概要を紹介します。
>>「事故情報解析報告書」 https://www.nite.go.jp/jiko/report/annual/2023fy/2023.html
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411260594-O6-IkC4B1BY

「2023年度の事故発生製品ランキング」の概要
 図2は、2023年度に発生した事故の製品群別の件数と、累積構成割合を示した図です。全製品群のうち、件数が上位20位までの製品群を示しています。2023年度に発生した製品事故1,556件のうち、上位20製品群で約59%、上位5製品群で約27%を占めています。
 「バッテリー類」「エアコン」は事故件数が高止まりしている製品群で、「家具」は2021年の再社告の影響で事故報告を多く受け付けています。「照明器具」はLEDシーリングライトの事故が、「充電器」はリチウム内蔵充電器の事故が多発したため件数が増加しています。また、「バッテリー類」はポータブル電源、電動工具や電動アシスト自転車のバッテリー等の事故が多発しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411260594-O5-7u5uC9Py

「ポータブル電源の事故」の概要
 図3は過去10年間のポータブル電源の事故発生件数の推移を危害の程度別に表したグラフです。危害の程度はR-Map分析と同様の基準で、0~Ⅳの5段階としました。
 ポータブル電源の事故は過去10年間で92件発生しました。2017年度に初めて発生し、2018年度以降、事故発生件数は増加傾向にあります。ポータブル電源の事故情報の約84%が危害の程度Ⅲ以上で、周辺に被害が拡大していることが分かります。また、人的被害についても件数は増加傾向にあります。

 事故内容としては、不具合がありリコールされた製品による事故や、誤接続や防水・防塵性の低い製品を屋外で使用するなどの製造事業者が想定していない使用による事故が発生しています。
 NITEが公表している事故情報及びリコール情報は、NITE SAFE-Liteで検索が可能です。他にも、NITEのホームページでは、ポータブル電源の事故の再現映像や注意喚起を公表しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411260594-O4-5066oe36

独立行政法人 製品評価技術基盤機構 製品安全センターの概要
 NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています。

情報提供元:PRワイヤー
記事名:「NITE、「2023年度 事故情報解析報告書」を公表しました