今日9日(土)と明日10日(日)は、北日本から西日本の広い範囲で黄砂が飛来する恐れがあります。視程が10キロメートル未満となるでしょう。見通しの悪さや車などへの黄砂の付着にご注意ください。

●今日9日は北日本を中心に黄砂飛来

今日9日(土)と明日10日(日)は、北日本から西日本の広い範囲で黄砂が飛来する恐れがあります。視程が10キロメートル未満となるでしょう。見通しの悪さや車などへの黄砂の付着にご注意ください。

今日9日(土)は、九州から関東や東北から北海道の太平洋側は、高気圧に覆われるでしょう。一方、大陸から前線を伴った低気圧が近づき、北海道から東北の日本海側と北陸は天気が下り坂です。この低気圧と前線と一緒にやってくるのが黄砂です。北海道では朝から、午後になると東北まで範囲を広げ、夜になると北陸や中国地方の一部にも飛来する見込みです。今の予想では、黄砂の量は多くはありませんが、見通しが悪くなる恐れがあります。また、洗濯物や車、建物などに付着することもあるでしょう。北海道や東北の晴れる地域でも、洗濯物は念のため外に干した方が良さそうです。

※視程とは、水平方向で見通しの効く距離のことです。

●明日10日は西日本にも黄砂の範囲広がる

明日10日(日)になると、前線が日本付近を通過するでしょう。黄砂の範囲は西に移り、東海から九州北部が中心となりそうです。

これらの地域では晴れて、お出かけや洗濯や大掃除でもと思うかもしれませんが、黄砂には注意してください。引き続き、洗濯物は外干しは控え、付着した黄砂はいきなり拭き取ろうとすると傷が付く恐れがありますので、水で流してからにしましょう。お出かけの際は、見通しの悪さに注意して、吸い込む恐れがあるので外での激しい運動は控えたり、マスクしたりするのも良いでしょう。

●黄砂はどこから? 影響は?

黄砂とは、中国大陸奥地のタクラマカン砂漠やゴビ砂漠などで舞い上がった砂ぼこりが、飛んでくる現象です。

黄砂は、上空の強い風によって、遠く離れた日本へも飛んできます。黄砂が最も多く観測されるのは、春(3~5月)で、時には、空が黄褐色に煙ることもあります。また、黄砂は秋に飛んでくることもあります。日本で、黄砂が観測される回数が多いのは西日本ですが、東日本や北日本など広い範囲で黄砂が飛ぶこともあるのです。

黄砂の影響は、量が少ないと、遠くの景色がぼんやりかすむ程度ですが、黄砂の量が増えるにつれて、車や洗濯物などが汚れてしまったり、小型航空機の運航に影響がでたりすることもあります。黄砂が予想される場合は、注意が必要です。

●黄砂が体に与える影響

環境省によりますと、黄砂の飛来によって、以下のような呼吸器や循環器に係る疾患の症状の悪化が指摘されています。

① 黄砂の飛来は、目や鼻、皮膚などのアレルギー症状との関連があり、目のかゆみ、結膜炎、鼻水やくしゃみなどを引き起こすことがあると報告されています。黄砂の濃度が高い日ほど、それらの症状が発症する方が多くなる傾向にあります。
② 黄砂の飛来と、呼吸器疾患についての関連が報告されています。黄砂が飛来すると気道や目、皮膚症状の悪化が見られる場合があります。喘息など呼吸器疾患のある人はいっそう注意が必要です。呼吸器疾患のない人でも黄砂の濃度が高いほど咳が出ることが報告されています。
③ 黄砂の飛来と循環器疾患について関連がみられています。 黄砂の飛来と救急搬送数増加、脳梗塞での入院や心筋梗塞での入院、発症の増加との関連が報告されています。高齢者や糖尿病、慢性腎臓病等の既往歴がある方は、循環器疾患への影響リスクが高いため注意が必要です。