これまでの高温は落ち着き、西日本と東日本では11月から急に寒くなるでしょう。この冬(2024年12月~2025年2月)は、ラニーニャ現象の発生する可能性が高くなっています。日本付近は冬型の気圧配置が強まる時期があり、日本海側では例年より雪が多くなる見込みです。

●10月も高温傾向 11月からは一気に寒くなる

今日24日、気象庁は3か月予報(10月~12月)を発表しました。

・10月
全国的に高温が予想され、気温は平年より高い見込みです。西日本と東日本では、まだ昼間は30℃以上の真夏日になる日があり、秋の深まりは遅いでしょう。

・11月
北日本では平年並みか平年より高い見込みです。一方、西日本と東日本では高温傾向が落ち着き、一転して平年並みになるでしょう。気温の落差が大きくなり、急に寒く感じられそうです。秋は一日の寒暖差も大きいため、体調管理に注意が必要です。

・12月
全国的に平年並みの気温で、師走らしい寒さになるでしょう。

●この冬(2024年12月~2025年2月) 天候の特徴は?

3か月予報に加えて、気象庁は今日24日、寒候期予報(2024年12月~2025年2月)も発表しました。

日本付近では、この冬は西日本と東日本を中心に冬型の気圧配置が強まり、寒気の影響を受けやすい時期がある見込みです。

気温は全国的に平年並みですが、西日本と東日本では平年より低くなることもあるでしょう。太平洋側では、降水量は平年並みか平年より少ない見込みです。
一方、東日本と北日本の日本海側では、降水量は平年並みか平年より多く、降雪量(山陰含む)も平年並みか平年より多い予想です。

●ラニーニャ現象が発生し偏西風が蛇行 冬型の気圧配置が強まる

日本海側で雪が多くなる原因の一つは、ラニーニャ現象です。
冬にかけて、ラニーニャ現象が発生する可能性が高く、1月を中心とするラニーニャ現象の発生確率は60%です。

ラニーニャ現象は、南米ペルー沖で海面水温が低く、太平洋赤道域の西にあたるフィリピンやインドネシア付近で海面水温が高い現象です。日本を含め、世界中の天候に異常をもたらす要因になると考えられています。

ラニーニャ現象などの影響で、上空の偏西風は中国付近では北へ、日本付近で平年よりやや南へ蛇行する見込みです。シベリア高気圧は南東側への張り出しが強く、アリューシャン低気圧は西側で強いでしょう。このため、西日本と東日本を中心に冬型の気圧配置が強まる時期がある見込みです。

関東の平野部など、太平洋側にも大雪をもたらすことがある、南岸低気圧の影響は小さいでしょう。一方、北日本の日本海側を中心に、低気圧の影響を受けやすい時期がある見込みです。

●日本海の海面水温が高い 初冬の寒気は大雪の恐れも

こちらの図は、9月23日時点の日本海の海面水温(平年差)を示したものです。ご覧のように、平年より大幅に高い部分が多くなっています。先日、能登半島に豪雨をもたらした一因とも考えられます。

前述の通り、11月以降は西日本と東日本から次第に平年並みの気温へと落ち着く見通しですが、海面水温が急に下がることはありません。

12月の海面水温は冬の中では高く、加えて平年に比べても高いとなれば、上空に強い寒気が流れ込んだ際、雪雲が発生、発達しやすくなります。1月の地震に加え、今回の豪雨にも見舞われた輪島や珠洲など、奥能登でも雪が例年より多くなる可能性があります。初冬に流れ込む寒気、大雪には特に注意が必要です。