台風21号は、11月2日(土)には東シナ海で温帯低気圧に変わりますが、台風の持つ熱帯の湿った空気が本州付近に停滞する前線に向かって流れ込み、前線の活動は活発化。北陸でも雨雲の動向次第では警報級の大雨となる可能性があります。4日(月・祝)からは冬型の気圧配置となって、この秋一番の寒気が流れ込むでしょう。遅れていた立山と白山の初冠雪どころか、三国峠など、降水があれば標高1000メートル前後の峠道でも雪となるおそれがあります。この方面へお出かけの方は冬タイヤへ交換が必要でしょう。

●台風21号 猛烈な勢力まで発達も2日には東シナ海で温帯低気圧に変わる

大型で非常に強い台風21号は、フィリピンの東を北西に進んでいます。この台風は、明日31日(木)には「猛烈な」勢力まで発達し、台湾へ近づきますが、11月1日(金)には台湾の陸地を通ることで勢力がやや衰え、2日(土)には東シナ海で温帯低気圧に変わる見込みです。

●2日は台風21号から変わる低気圧の影響で警報級の大雨のおそれ

台風情報は温帯低気圧に変わった段階で終了となります。しかし、熱帯の暖かく湿った空気そのものは残っています。台風21号は温帯低気圧に変わった後、11月2日(土)~3日(日)にかけて本州の南岸を進む見込みです。

また、本州付近には1日(金)午後以降、前線が停滞する見込みです。台風21号や台風21号から変わる見込みの低気圧から暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発となるでしょう。

北陸地方では、低気圧の接近前から前線による発達した雨雲がかかり、特に2日(土)は前線の活動の程度や台風21号から変わる見込みの低気圧の進路次第では警報級の大雨となるおそれもあります。9月21日の能登豪雨や1月1日の能登半島地震の影響で地盤が緩んでいる所があり、少ない雨量でも土砂災害の危険度が高まるおそれがあります。最新の情報に注意してください。

●低気圧通過後は「冬型」 標高の高い峠で雪か

4日(月・祝)に寒冷前線が南下した後、冬型の気圧配置となり、この秋一番の寒気が流れ込むでしょう。5日(火)には上空1500メートル付近で0度以下の寒気が北陸地方まで南下する見込みです。このため、標高の高い国道17号線の三国峠方面などは、雪の降る可能性があります。降水強度によっては路面がうっすら白くなることもありそうです。この方面を走行される方は、冬用タイヤを装着して下さい。

●記録的に遅くなっている立山・白山初冠雪

今年は10月に入っても気温の高い日が多く、立山・白山ともに初冠雪をまだ観測していません。初冠雪の平年日が立山は10月12日、白山は10月21日、昨年の初冠雪が立山・白山ともに10月8日ですので、かなり遅れている状況です。

立山ではデータのある1939年以降、11月に初冠雪がずれ込んだ年は過去2回しかありません。今年は4日(月・祝)からの冬型が緩む6日(水)または7日(木)に初冠雪を観測する可能性がありますが、そうなれば、今年は8年ぶり、3回目の11月の初冠雪となります。

初冠雪は通常、山頂部が雪で白くなったことが麓の気象台から確認された場合が多くなっていますが、4日(月・祝)からの冬型では標高3000メートル級の山だけではなく、標高1000メートル前後でも降水があれば雪の可能性があります。このため、今年は山頂部だけでなく、中腹の標高の低いところまで一気に白くなるかもしれません。

※初冠雪とは、8月1日から翌年の7月31日までに山麓の気象官署から見て、山頂付近が初めて積雪などで白く見えることを言います。
麓から見えることが条件で、山に登って、雪が積もっていることが分かっても、雲に邪魔されて見えない場合は初冠雪にはなりません。遠くから見えるくらいの雪が積もり、その後、晴れて、麓から確認できたときに、初冠雪となります。なお、立山は山脈上の峰ですが、富山地方気象台では「立山(雄山・大汝山・富士ノ折立)」を対象に初冠雪を観測しています。