フランスでは街を歩けば犬と一緒に歩いている人をよく見かけます。散歩だけではありません。犬同伴で入れるお店やホテルが多いので、食事も旅行もいつでもどこでも愛犬と一緒です。
レストランやカフェでは食べ物を欲しがることもなく、テーブルの下に寝転んで静かにしています。パン屋やチーズ屋の前では、ちょこんと座ってお買い物をするご主人をじっと待ちます。感動的なほどお利口さんなフランスの犬たちは、社会の一員として国民に受け入れられています。
しつけはしっかり、しかし困ったフン問題…人気の犬種など、フランスの犬事情を紹介します。


犬のしつけはしっかり!フランス流スパルタ教育

フランスには、犬の飼い主は責任を持ってきちんとしつけをする、という高い意識があります。犬のしつけをする学校もたくさんあって、小さい頃から徹底的に教え込むので、勝手に歩き回ったり、無駄に吠えたり、飛びかかったりする犬はほとんど見かけません。
お散歩中の犬を見ていると、勝手な動きをするとバシっと叩かれたり、毅然とした叱り方で諭されていて、厳しくしつけられているのを感じます。
そのおかげで犬に寛容な社会ができ上がっていて、公共の場でも犬を連れて入れるところばかりです。
フランスには緑あふれる公園がたくさんあって、公園内をリードなしでのびのび駆け回る犬をよく見かけますよ。きちんとしたしつけのおかげで、幼い子供たちも安心して過ごすことができます。リードを付けていないからと言って嫌な顔をする人も見たことがなく、犬が社会全体に受け入れられているのを感じます。
家族の一員として快適にすごすためには可愛がるだけでなく、厳しさも必要ですね。

お店の入り口横にある、リードをかけるための金具

お店の入り口横にある、リードをかけるための金具


足元にご注意!フランスの街は犬のフンだらけ…

フランスの道には至るところに犬のフンが落ちています。お散歩時、きちんとフンを拾う飼い主ももちろんいますが、フンをそのままにして立ち去ってしまう飼い主もたくさんいるのが現状です。何度も現場を目撃しましたが、何事もなかったかのように立ち去る姿にはあきれてしまいます。
このようなフン対策のため、街には写真のとおり、自由に利用できる無料の犬用フン袋が置かれています。ゴミ箱も至るところに設置されていますが、なぜかフンを放置する行為はなくなりません。自宅マンションの敷地内にある草むらは犬にフンをさせる場所と化していて、とんでもない数のフンが落ちています。度々フンを踏んでしまう娘の姿に耐えられず、意を決して家族みんなでフン拾いをしたほど。
このフランスのフン問題は深刻で、南仏のある街では、フンを放置すると罰金を支払わなけばいけないことになりました。犬を飼い始めたらまず獣医へ行き、唾液からDNA検査をしてデータベースに登録されます。犬のフンを放置した場合は、そのDNAから飼い主を割り出して罰金122€が科せられるというもの。この計画はひとまず2年間のみ施行されるそうですが、この動き、フランス全体に広がってほしいものですね。
しつけも大事ですが、犬のフンの片付けも徹底してほしいものです。

街中に設置されている犬用フン袋とゴミ箱

街中に設置されている犬用フン袋とゴミ箱


フランスでよく飼われている犬ってどんな犬?

日本ではトイプードルやチワワ、ミニチュアダックスフンドといった小型犬が人気ですが、フランスでは小型犬は比較的少ないです。
私がよく見かけるのは、ビーグルやハスキー(特にシルバー&ホワイトの毛色)です。また、筋肉質でがっしりとした身体つきが特徴のスタッフォード・シャー・ブルテリアなどの闘犬用犬種もよく見かけます。
中型犬や大型犬が圧倒的に多く、柴犬や秋田犬といった日本犬も人気です。特に柴犬は年々増えているような気がしますね。日本犬もフランスで育てばフランス流。洋服屋さんでご主人がじっくり服を見ているそばに、ちょこんとおとなしく座っている柴犬も見かけましたよ。お行儀のいい犬はどこにでも連れて行けますね!


フランスはどんな物件もペットOK

フランスでは、アパートや賃貸物件など、どのような住環境でも基本的に犬や猫などのペットを飼うことができます。郊外に庭つきの広々とした一軒家をかまえ、犬とともにのびのびと暮らす人も多いですが、街中のアパート住まいでも犬や猫を飼っている人がたくさんいます。
もちろん、飼い主がきちんとペットをしつけることが大前提。私が住んでいるアパートにもたくさんのペットが住んでいて、エレベーターでも犬やケージに入れられた猫と一緒になることがよくありますよ。


ペットショップをほぼ見かけないフランス

2021年、フランスでは動物愛護に関する法律が改正になり、2024年以降はペットショップで犬や猫などの販売が禁止されることになりました。この法律には衝動買いを抑制するための措置も盛り込まれていて、ペットを購入する際には、飼育の責任に関する誓約書類に署名をして提出し、その後7日間待機することが必要です。また、18歳未満の未成年者の購入には、親の同意も必要です。
フランスにはペットショップはほとんどなく、私も一軒しかみたことがありません。2024年以降は、次のような方法で新たに犬や猫を家族として迎えることになります。
1.ブリーダーを探して連絡をとり、予約をして購入する。
2.情報サイトなどを通じて、ペットの里親探しをしている人から譲り受ける。
3.保護された犬や猫が集まる、動物用シェルターから引き取る。

ペットを家族の一員として大切にする一方で、捨てられてしまう犬や猫がフランスにもたくさんいます。ペットは可愛いだけではありません。飼い始めるときは、責任を持って世話をし続ける覚悟が不可欠ですね。

犬は家族の一員という感覚が根付いていて、しつけに関する意識がとても高いフランス。犬が好きな人も苦手な人も、そして犬も気持ちよく過ごすためには、きちんとしたしつけが大切だと強く思います。私は大の犬好きなので、日本に引っ越したら犬を飼うのが夢なのですが、その際はしつけもがんばりたいですね。
そしてフランスの飼い主さーん、とにかく犬のフンを拾ってください!
どこを歩いても犬のフンを踏む心配がない街に変わってくれることを願います。

マルシェでの買い物も犬と一緒

マルシェでの買い物も犬と一緒