最大震度7を観測した能登半島地震の発生から、2週間が経ちました。みなさんは地震への対策、できていますか?
地震の被害のひとつに「液状化現象」があげられますが、中には、どのような現象なのか想像しづらい方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、液状化現象のメカニズムや備えについて、詳しく解説します。


液状化現象のメカニズム

液状化現象というのは、地震が発生したときに、文字通り『地盤が液体状になる』現象のことです。
普段歩いている硬い地面が液体状になるとはどういうことなのかと混乱してしまう方も少なくありませんが、ここで大切なのは「地盤」が液体状になるという点です。

普段は砂の粒子が支えあって、その間を水が満たすことで地盤を支えあっています。

そこに地震が発生すると、振動で砂の粒子同士がバラバラになり、水に浮いた状態になります

その後、水と分離してバラバラになった砂の粒子が沈んで、地盤全体がドロドロの液体のような状態になり、地盤の沈下や亀裂を引き起こしたり、地面の裂け目から砂交じりの泥水が噴き出したりするのです。
また、安定していた地盤が急にやわらかくなることで、その上に立っていた建物が沈んだり、地中に埋まっていたマンホールが浮かんできたりもします。

これが、液状化現象のメカニズムです。
液状化現象は、埋立地や三角州、大きな河川の近くの自然堤防などで発生しやすいといわれています。


身近なもので「液状化現象」を再現

ここまで、液状化現象のメカニズムについてお伝えしてきましたが、普段過ごしている地面のそのまた下で起きている事象なので、「実際はどのように生じるのか」がイメージできない方のために、身近なもので液状化現象を再現してみました。
砂と水を入れたプラスチック容器をたたくと、砂の上に置いた車は沈み、砂の中に埋め込んだ発砲スチロールの玉は浮かび上がってきました。これは、液状化現象によって水より重いものが沈み、水より軽いものが浮かび上がることを指しています。家やマンションなどの建造物が傾いたり沈んだりするのもこういう理由からです。


液状化現象に備えるには

液状化現象について学んできましたが、液状化現象の対策としてよくあげられるのは「地盤そのものを改良する」ことや「建物自体の対策工事」など。では、私たちひとりひとりができることはあるのか、気になりますよね。
液状化現象に備えるためには、まず、自宅周辺の液状化危険度をハザードマップなどで確認しておきましょう。まず知ることが大切です。そして、いざ液状化現象が起きてしまうと、水道やガスなどのライフラインが使えなくなる可能性があります。自宅周辺が液状化現象の起きやすい地域の場合は、水やカセットコンロなどの防災グッズの備えを確認し、対応できるように用意しておきましょう。

動画解説:工藤佳奈子