桜が咲く頃に見られる、やわらく白い曇り空は「花曇り(はなぐもり)」と呼ばれます。春は、ぼんやりと曇った空模様となる日が多い季節です。花曇りの意味と春に曇りやすくなる天気の特徴について解説します。

花曇りとは 桜の季節を表す日本らしい空の表現
「花曇り(はなぐもり)」とは、桜の花が咲いたり、見頃を迎える頃によく見られる、明るくやわらかな曇り空を指す言葉です。空全体に薄い雲が広がり、太陽の日差しがぼんやりと感じられるような空模様が特徴で、暗くて厚い雲や雨雲とは異なって穏やかな印象です。
俳句では晩春の季語として用いられ、春の風景や季節の情緒を表す言葉として親しまれてきました。「花曇り」は気象庁の予報用語ではありませんが、桜の季節の空の印象を的確に表す言葉として一般的に使われています。
この時期の空は、冬のような寒々しい空や夏の力強い日差しと異なって、どこか淡くやさしい表情を見せます。

春はなぜ曇りやすい?春の天気の特徴と大気の状態
春の天気の特徴は「移動性高気圧」と「低気圧」が交互に通過することによって天気が短い周期で変化することです。
高気圧に覆われると晴れますが、高気圧の中心が離れると南から湿った空気が流れ込み、層状の雲が広がりやすくなります。また、低気圧や前線が接近・通過する際は曇ったり雨が降ったりします。
高気圧や低気圧・前線は、上空の強い風の流れ(偏西風)に沿って動きますが、春は偏西風が日本付近を吹くことが多くなります。このため高気圧や低気圧・前線も日本付近を交互に通過することが多くなります。天気も数日の周期で変わるようになり、花曇りのような日が現れやすくなるのです。

花曇りと花冷えの違い
「花曇り」は空の様子(薄曇り)の呼び名、「花冷え(はなびえ)」は桜が咲く頃に一時的に気温が下がる体感・気温の変化を指す言葉です。
花曇りでも気温が高めの日はありますし、晴れていても寒気が流れ込んだり北風が吹いて花冷えになることがあります。前線が通過する際や寒気の南下が重なると、曇り+北寄りの風で体感温度が大きく下がりやすくなります。
お花見の際は、日差しが弱い日は気温の割にひんやりと感じやすいので、薄手の上着やストールを準備して、夜桜見物の際は一枚プラスして寒さ対策をすると良いでしょう。
まとめ
花曇りは、単に天気の状態を表す言葉というよりも、春の大気の特徴を表した表現のひとつです。桜の季節は晴れと曇り、雨が周期的に変わり、天気の変化が大きくなる時期でもあります。桜の花を眺めながら、春の空模様の変化にも目をむけてみてはいかがでしょうか。












