はじめに
アフターコロナの需要を見据え、各地で観光資源の整備が進められてきた台湾。その土地の特色ある文化がぐっと体験しやすくなってきています。台湾本島最南端の屏東縣も、そのひとつ。牡丹郷のパイワン族のクスクス部落の文化体験や美食、四重溪温泉にやってきた愛くるしい動物など、興味深いスポットが多数。トラベルサービスセンター「屏東縣政府交通旅遊處」による最新情報を紹介します。原住民文化と豊かな自然。恆春半島のディープな魅力に触れる旅。
台湾本島の最南端の観光地といえば墾丁が広く知られていますが、屏東縣は、国家公園を筆頭に、2つの国家風景区、3つの森林遊楽区を擁し、自然景観の素晴らしさはもちろん、文化的魅力もたっぷり。しかも進化し続けているから、リピートする価値も大! そんな屏東縣で、今注目なのは「四重溪温泉公園」。キラキラ光る海が夜空を照らす景色が人々を魅了し、オンシーズンには何万人もの観光客が訪れる公園がパワーアップ。2022年11月には園内に「カピバラエリア」が新設され、カピパラの暮らしぶりが“萌える!”と話題に。続く12月には「屏東青年旅創基地」がオープン。恆春半島の山林、サイクリング、特産品をテーマにした共創拠点で、原始的な自然習慣が残る部族の故郷である牡丹郷へと旅人を導いてくれます。パイワン族のクスクス部落で、エキゾチックなウエディング体験。
牡丹郷の最南端に位置する「高士部落」は、古くは「高士佛」、パイワン族の言葉では“クスクス”と呼ばれ、南パイワンのルビーとも称される集落です。四方を囲む山々、太平洋に面した景色は優美で、まるで桃源郷のようだとも。観光促進につとめる「高士社區發展協會」では、さまざまなテーマのプランを推進しています。なかでも目を引くのは、集落での伝統的な結婚式体験(参加者20人以上で開催)。まず最初に集落の祈祷師が皆の幸福を祈り、火を焚きます。その後、厄除けになるといわれるミツバウコギを髪に飾り付け、客家花布と民族衣装の藍衫を組み合わせたクスクス・パイワン族特有の衣装を纏い、集落の長老たちからの祝福を受けます。非日常感あふれる婚礼の儀式のプロセスは、とても晴れがましく、感慨深いものとなることでしょう。地元の人々の強い願いによって再建。白い鳥居が神秘的なクスクス神社。
集落が作られた初期、収穫した米を運ぶ際に往復したことから“クスクス穀物道”と呼ばれていた「高士歴史穀道」。この歴史的意義のある通りは、豊かな自然生態を擁する1.25kmの曲がりくねった道のりで、途中にある88段の階段を昇った先には「高士神社(クスクス神社)」があります。神職と氏子が奉祀する宗教施設としては、戦後初めて再興された神社で、そびえ立つ純白の鳥居が象徴的。足下には八瑶湾が広がっています。また、隣接する「高士野牡丹公園神社」は、毎年3~5月にかけて、山全体が野生の牡丹でいっぱいになり、近頃は“映えスポット”として人気を集めています。
収穫体験やDIY、部族料理を味わって、この地の豊かな実りを体感。
クスクス集落は原木シイタケの栽培と養蜂も盛んで、シイタケの収穫への参加、ミツロウのリップクリームのDIYとして体験することも。ほかにも、伝統的な技法を用いた金属細工のイベントも開催しています。もうひとつ見逃せないのが、林の中でいただくリーズナブルな食事。キビ焼きおにぎり、クスクスヒヨドリバナ茶といった部族の伝統的な美食のほか、地元の新鮮な食材を使い、部族料理とイタリアンの調理法を融合させて生み出される斬新なメニューが味わえます。見どころもイベントも多彩で、満足度の高いひとときとなること請け合いです。◆高士部落生態旅遊
住所:屏東縣牡丹鄉高士村高士佛29號
電話: +886-90-523-2199
カピバラ鑑賞、浴衣での散策、景品つきゲーム…盛りだくさんの四重渓温泉公園へ。
日中の四重渓温泉公園の“カワイイ指数”は破格です。その理由はCapyさん&Baraちゃんが住まう「カピバラエリア」に。合法的な動物展覧のライセンスを取得したうえで、地元の特色を生かしつつ、カピバラの生態に最も適した自然との共存環境を整備。訪れる人々に癒しを与えています。 また、園内では「結月和服」が浴衣のレンタル&着付けを実施していて、浴衣姿で散歩するのはもちろん、カピバラの餌やり体験をすることも。そのほかにも、願掛け堂、和風レストラン、あれこれ買いたくなるカピバラグッズのセレクトショップ、さらには豪華商品が豊富に用意されたゲームコーナーなどもあり、大人も子どもも楽しい休日が過ごせるスポットとなっています。◆四重渓温泉公園
住所:屏東縣車城鄉溫泉路玉泉巷30-10號
電話:+886-93-225-9855
派出所をリノベーションした文化発信基地が誕生。サイクリングの相談もOK。
地元の文化を発信する「屏東青年旅創基地」は、長年使われていなかった旧温泉派出所をリノベーションした建物内にあります。ヨーロッパ式建築のアーチとアーチ窓の特徴を残した純白の建築物は、昔ながらの商店街の新たな注目スポットに。ここは屏南のローカル団体「火箭人實驗室Launcher Lab」が維持管理を担当。セレクトショップ「溪有」、軽食レストラン「好桑」、スペシャルドリンクのキッチンカー「南風微醺」がテナントとして入店しています。また、サイクリングクラブの「單車俱樂部」では、会員にホットドリンクとおやつ、洗面&シャワー設備などを提供。県道199号沿いの温泉街、原住民集落、レジャー農業区などの素晴らしさを自転車で見て回るのも手。サイクリングするもよし、登山をするもよし。さまざまな形で恆春半島の魅力を体験してみてください。
◆屏東青年旅創基地
住所:屏東縣恆春鎮溫泉路192號
電話:+886-967-068-054
情報提供元:旅色プラス
記事名:「【台湾情報】パイワン族の文化体験、四重溪温泉の新スポット…恆春半島の楽しみ方・最新版!」